ニルヴァーナ
ガブリエレ・サルヴァトレス監督による近未来SF。「マトリックス」のような仮想空間SFですが、ゲームを起点にしていたり主人公の立場が逆だったりと、脚本の凝り方が面白いと感じました。こういう活劇系のSF映画は、どうしても派手なアクションや場面転換で作品のテーマをぼやかしてしまうことが多いんですが、この作品は派手な演出に偏重しすぎていないところで好感が持てました。登場人物も異様な設定であるものの魅力的。ゲーム画面と現実世界の描き分け方も、色の使い方や特殊効果にセンスを感じました。
ただ、やはりテーマがテーマなだけに語り尽くされている感は否めません。何故ゲームのキャラクターが意志を持つのか、という原因付けが唐突。映像も凝っている割に粒子が粗すぎて、何をやっているのか分からないところがあって残念でした。ともあれ、ヨーロッパ映画らしい考察を含んだ、サイバーパンク作品としては注目すべき点のある映画なのは確かです。
主演のクリストファー・ランバートは例によって例のごとく。ヨーロッパ系映画には欠くことの出来ないアクションスターという感じ。日本文化の品々が色々に出てくるのも、日本人としては楽しいところでした。
監督:ガブリエレ・サルヴァトレス
出演:クリストファー・ランバート、ディエゴ・アバタントゥオーノ、セルジオ・ルビーニ、ステファニア・ロッカ

20060127 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

1972年に起きた銀行強盗事件を下敷きに、シドニー・ルメット監督が制作したサスペンス映画。うだるような夏の暑さが、70年代の持つ熱狂した空気を感じさせる傑作です。
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B級ホラーのヒットメイカーであるサム・ライミ監督が、ベストセラー小説の映画化に挑んだ意欲作。これまでの作風からはとても想像出来ない落ち着いたトーンに驚かされる、サスペンス映画の佳作です。
アレックス・プロヤス監督が、馴染みのあるオーストラリアで制作した青春映画。あるバンドに集まった若者たちの悲喜交々を丁寧に描いていて好感が持てます。
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ハリウッドの問題児ケヴィン・スミス監督による、宗教を題材にしたブラック・コメディ。本国ではキリスト教徒による上映禁止運動が起こり、日本でも限定公開になった曰く付きの映画。完成度はそこそこですが、独特のまったりとしたテンポには中毒性がありました。
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の監督デビュー作を、本人達が再編集したもの。初監督作品とは思えないほど練り込まれたシナリオに思わず唸らされる、サスペンス映画の傑作です。
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