★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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紅の豚

 宮崎駿監督が、自身の飛行機マンガを映画化したアニメーション作品。僕が初めて劇場で観た「ジブリ映画」で、当時は面白さがさっぱり分かりませんでしたが、大人になってから見直してみると評価が一変しました。これは大傑作です。
 「カッコイイとは、こういうことさ。」のコピー通り、出てくるオヤジ達がとにかく渋くて情けなくてカッコイイ。そもそも第一次大戦後、1920年代の不安定な情勢下のイタリア・アドリア海という設定自体が絶妙ですし、幾度となく繰り広げられる空中戦も、手描きアニメならではの臨場感に満ちています。物語中に何度も言及される「飛行艇乗りの誇り」もいちいちもっとも。そういう世界に憧れる人に、そして誰よりも監督自身に向けられた映画なのでしょう。

 森山周一郎の声だけでも観る価値は十分にありますが、加藤登紀子のせいでトドメを刺されてしまいました。人々も風景も歌も、全てが格好良くて単純に楽しめる、大人向けのメルヘンです。ジブリ映画なんてとっくに卒業した、と思っている人にこそ観て欲しい作品。

監督:宮崎駿
出演:森山周一郎、加藤登紀子、岡村明美、大塚明夫、上條恒彦、桂三枝
20051202 | レビュー(評価別) > ★★★★ | - | -
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