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ザ・ロック

 マイケル・ベイ監督が男臭いドラマに重点を置いて撮り上げたアクション作品。2000年代に流行するTVドラマを先取りしたようなプロットは一見の価値有り。

 敵にも味方にもしっかり動機付けがあり、彼らの利害が物語の展開にしたがって巧みに絡み合う練りに練られた物語がこの映画最大の魅力です。主人公側の行動理念が必ずしも正義に立脚していないところも新鮮でした。敵も味方も一枚岩ではない中で、特に終盤にかけての怒濤の展開に引き込まれるので、ベイ監督お得意のアクション演出も一層生きてきます。
 エド・ハリスやデヴィッド・モースといった渋い中年俳優だらけで固めた潔さも好感度大。コネリーの役柄がかつての007を彷彿とさせるのもファンには嬉しいところ。こういった全ての要素が上手くはまった結果、ありきたりなハリウッド映画なのに奇跡的に面白い作品に仕上がりました。

 一部首をかしげる展開もありますし、そもそも科学的考証が皆無なことなど問題点はありますが、それを補ってあまりあるエンタテイメント性には脱帽。90年代のアクション映画を語る上で絶対に外せない作品です。

監督:マイケル・ベイ
出演:ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー、エド・ハリス、マイケル・ビーン、ウィリアム・フォーサイス、デヴィッド・モース
20110527 | レビュー(評価別) > ★★★★ | - | -
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