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シンプル・プラン

 B級ホラーのヒットメイカーであるサム・ライミ監督が、ベストセラー小説の映画化に挑んだ意欲作。これまでの作風からはとても想像出来ない落ち着いたトーンに驚かされる、サスペンス映画の佳作です。

 大金を手にした人々の動揺と、そのために引き起こされるトラブルが非常に自然に描かれていて、思わず引き込まれました。日常に潜在している不満が、現金を前にしたときに顕在化する様はゾクゾクします。定番とは言え、落とし方も心に迫るものがありました。それだけに途中でチープなミステリのような展開になってしまったのが残念。あと、折角の雪景色を映像的に活用し切れていないところも物足りないところです。
 それにしても、ビル・パクストンは”冴えないアメリカの小市民”を演じると説得力がありますね。共演のビリー・ボブ・ソーントンが、珍しく色気ゼロの冴えない中年をきっちり演じているのも凄い。最初本人かと疑うようなビジュアルなんですが、彼がいなければここまでの映画にはならなかっただろう、というほどの名演でした。

監督:サム・ライミ
原作:スコット・B・スミス
出演:ビル・パクストン、ブリジット・フォンダ、ビリー・ボブ・ソーントン
20060124 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -
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