★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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ジュラシック・パークIII

 大ヒット恐竜映画シリーズ第三弾。監督は「ロケッティア」「ジュマンジ」などSFやファンタジーが妙に得意なジョー・ジョンストン。地味ながら質の高い映像が楽しめる秀作です。
 第一作の娯楽性と第二作のホラー性を掛け合わせたような内容で、悪く言えばどっちつかずなんですが、適度にハラハラ、でも暗くなりすぎずに楽しめるところは好感が持てました。登場する恐竜も少数精鋭。さすがに恐竜が出てくるだけでは驚かなくなったものの、スケールを実感させる巧みな見せ方で迫力を出しています。テーマ性を排して、娯楽に徹したシナリオも良い。コンパクトで何の気負いもなく楽しめるだけに、純粋な“恐竜映画”だと感じました。

 とにかくジョー・ジョンストンの作品を一つでも観たことのある人なら納得の出来でしょう。テーマはないと書きましたが、最後のラプトルとの対峙やプテラノドンの飛翔が、監督の恐竜への強い思い入れを示しているような気がしました。シリーズ中で最も、恐竜への愛に満ちた作品かもしれません。

監督:ジョー・ジョンストン
原作:マイケル・クライトン
出演:サム・ニール、ローラ・ダーン、ウィリアム・H・メイシー、ティア・レオーニ、ジョン・ディール、マイケル・ジェッター
20060403 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

 スティーヴン・スピルバーグ監督による、大ヒット恐竜映画の続編。前作とは打って変わって、暗いムードのサバイバル・ホラーでした。
 前作で重いテーマを盛り込めなかった反動なのか、今回は人間と恐竜の関係を掘り下げたドラマに時間を割いています。特にピート・ポスルスウェイト演じるローランドの存在が象徴的。ただ前作の夢と冒険に満ちた作風が記憶にあったせいか、今作は重すぎて興ざめ。恐竜の“怖さ”を強調する演出や、ヤヌス・カミンスキーによるハイ・コントラストな映像も、観ている内に疲れてしまいました。

 前作とは比にならないほどリアルな恐竜たちはさすがに見所。あと評判悪い“本土上陸”は、実は好きだったりします。そちらにもっと力を入れて欲しかったぐらい。まあ、スピルバーグの思い入れが炸裂した映画、ということで…。

監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:マイケル・クライトン
出演:ジェフ・ゴールドブラム、ジュリアン・ムーア、ピート・ポスルスウェイト、ヴィンス・ヴォーン、ピーター・ストーメア、リチャード・アッテンボロー
20060402 | レビュー(評価別) > ★ | - | -

ジュラシック・パーク

 世界中の恐竜ファンの夢を実現したとも言える、スティーヴン・スピルバーグ監督による恐竜映画。マイケル・クライトンによる原作を、ILMの特殊効果技術を総結集して実現した驚異の映像は、当時としては奇跡を見るようでした。
 登場する恐竜は全てマペット(機械駆動の人形)かCGで、着ぐるみが一つもないというのは恐竜映画にとっては革命的なこと。実物大ティラノサウルス・レックスのマペットまで作ったというスピルバーグの力の入れ様は凄いの一言に尽きます。アクションシーンの撮り方に突出したものはありませんが、素材の良さを殺さないそつの無さは良かった。サム・ニールやジェフ・ゴールドブラムなど、もうお父さん世代になってしまったかつての若手スターが、主役級で出演しているのも嬉しいところ。ストーリーはグダグダだし、映画の構造も数多のジェットコースター・ムービーと大差ありませんが、とにかく大迫力の恐竜たちが画面の中を暴れ回っているというだけで感動モノでした。

 とにかく恐竜好きなら、一度は観ておくべきでしょう。この作品以降、ハリウッドではCGを使ってどんなシーンでも実現できるようになってしまいましたが、この作品を観たときほどの感動はもう得られないでしょう。それだけインパクトがあった映画でした。

監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:マイケル・クライトン
出演:サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サミュエル・L・ジャクソン、リチャード・アッテンボロー
20060401 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

GODZILLA ゴジラ

 お馴染みローランド・エメリッヒ&ディーン・デブリンのコンビによる、かの名作怪獣映画のハリウッド版リメイク作。ラジー賞では“ワースト・リメイク・続編賞”にも輝いた勘違いぶりで、どこがゴジラなんだと問いただしたくなりました。
 冒頭のゴジラ出現シーンの演出には、近年の日本版ゴジラが忘れていた凄みを感じるものの、その後の展開は相変わらずエメリッヒ節炸裂でお粗末な限り。ゴジラがただの恐竜程度の扱いで、オリジナルの威風堂々たる佇まいは欠片もありませんし、対する人間のドラマも緊迫感がなく、ダークなトーンで統一された映像とは噛み合っていません。ゴジラ映画かどうか以前に、怪獣映画として楽しめない、ただ大迫力のVSFXが連続するだけの映画になってしまって、ひたすら残念でした。まあ、それこそエメリッヒ監督の持ち味なんですが。

 ちなみに、ハリウッドでは続編を三作目まで予定してたものの、さすがにそれは無理だったのかアニメシリーズへと方針を切り替えています。典型的な失敗作だなあ…。

監督:ローランド・エメリッヒ
原作:本多猪四郎、香山滋
出演:マシュー・ブロデリック、ジャン・レノ、ハンク・アザリア
20060331 | レビュー(評価別) > ★ | - | -

インデペンデンス・デイ

 「スターゲイト」のローランド・エメリッヒ監督によるSFスペクタクル映画。相変わらず紋切り型の展開ながら、大迫力の映像を楽しめる娯楽大作です。

 冒頭から終盤まで、いわゆる「宇宙戦争もの」の定番そのままなお気楽ストーリーですが、ここまで新機軸が無いと逆に安心して観ることが出来ます。その代わり、あらゆる特殊効果を駆使して繰り広げられる爆発やドッグファイトは見事な出来映え。想像を上回る大迫力の映像は、映画館で映画を観る醍醐味を実感できること請け合いです。
 ウィル・スミス、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマンという三人の主演俳優が、それぞれ対等に活躍するのがまた大作映画っぽくてツボ。ビル・プルマンは大統領が本当によく似合いますね。妙に感傷に訴えようとする物語が気になりますが、彼らのコミカルな演技のおかげでカバー出来ているのでは。

 例の演説に拒絶感を覚える人もいたようですが、僕はあそこはギャグだと思いました。実はアメリカ中心主義に対する皮肉なのかも。ともあれ、こういう中身ゼロの娯楽大作をきっちり撮れるエメリッヒ監督の手腕には脱帽です。

監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ウィル・スミス、ビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラム、メアリー・マクドネル、ジャド・ハーシュ、アダム・ボールドウィン
20060330 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

新幹線大爆破

 佐藤純弥監督による、日本パニック映画史上に残る大傑作。新幹線ひかり号に爆弾を仕掛け、時速80キロ以下になるとそれが爆発する、という発想を有効に活用した脚本が秀逸でした。
 とにかくそのアイデアが良い。実際に発生したときにどうなるか容易に想像できるので、新幹線に同乗してしまった人々のパニックぶりも頷けます。同時に、高倉健などが演じる犯人グループの切実なドラマと巧妙な手口も、いかにも70年代というケレンに溢れた設定で、かつ犯罪映画として単体で立てるほど。こういう一つ一つの作り込みがしっかりしているので、映像や端役の演技が多少チープでも気になりませんでした。

 ここまでアクションとサスペンスが両立できている日本映画というのは珍しいかも知れません。見るたびに手に汗握る、最高のパニック映画です。ちょっと昔の制作なうえに、当時の国鉄からロケ撮影を断られたという経緯もあって映像の迫力は若干落ちてしまうんですが、それを差し引いても必見の一本。

監督:佐藤純弥
出演:高倉健、山本圭、宇津井健、田中邦衛、織田あきら、千葉真一、小林稔侍、永井智雄、志村喬
20060213 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -