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ニルヴァーナ

 ガブリエレ・サルヴァトレス監督による近未来SF。「マトリックス」のような仮想空間SFですが、ゲームを起点にしていたり主人公の立場が逆だったりと、脚本の凝り方が面白いと感じました。

 こういう活劇系のSF映画は、どうしても派手なアクションや場面転換で作品のテーマをぼやかしてしまうことが多いんですが、この作品は派手な演出に偏重しすぎていないところで好感が持てました。登場人物も異様な設定であるものの魅力的。ゲーム画面と現実世界の描き分け方も、色の使い方や特殊効果にセンスを感じました。
 ただ、やはりテーマがテーマなだけに語り尽くされている感は否めません。何故ゲームのキャラクターが意志を持つのか、という原因付けが唐突。映像も凝っている割に粒子が粗すぎて、何をやっているのか分からないところがあって残念でした。ともあれ、ヨーロッパ映画らしい考察を含んだ、サイバーパンク作品としては注目すべき点のある映画なのは確かです。

 主演のクリストファー・ランバートは例によって例のごとく。ヨーロッパ系映画には欠くことの出来ないアクションスターという感じ。日本文化の品々が色々に出てくるのも、日本人としては楽しいところでした。

監督:ガブリエレ・サルヴァトレス
出演:クリストファー・ランバート、ディエゴ・アバタントゥオーノ、セルジオ・ルビーニ、ステファニア・ロッカ
20060127 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -
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