★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

 ティム・バートン制作・原案による人形アニメーション。微笑ましくも毒のある世界観やストーリーで、未だに根強い人気のある作品。子供が絵本を読み聞かせてもらって、終わったら「ねえ、それでどうなったの?」と聞くような、そんな気分になれる映画でした。

 過去のメルヘンの傑作にも匹敵する物語性は見事。ホリデータウンという設定から始まって、その特殊な世界で繰り広げられる物語にはただただ息をのむばかりで、何度観ても76分という上映時間は短かすぎると嘆かされます。本来なら怖いはずの怪物たちも、ハロウィンということもあってどこか愛らしく、かつ少し倒錯気味。フィンケルシュタイン博士の脳みそや、メイヤー町長の切り替わる顔など、おもちゃみたいなギミックも良い。その他画面に殆ど登場しないキャラクターにまで、クセのあるデザインが施されています。
 更に人形アニメとして見ても、過去にないほど高い完成度でした。特にその動きのなめらかさは、本当に人形たちが生きて演技しているかのよう。ミュージカルとしても魅力的なナンバーが揃っていますし、ここまで非の打ち所のない映画も珍しいのではないでしょうか。

 評価とはあまり関係ありませんが、先日TOHOシネマズの企画で上映されていたので慌てて観てきました。やはりスクリーンで観られるというのは良いですね。むしろ、この映画は毎年恒例で上映してほしいぐらいです。

制作・原案:ティム・バートン
監督:ヘンリー・セリック
声の出演:ダニー・エルフマン、クリス・サランドン、キャサリン・オハラ、ウィリアム・ヒッキー、ポール・ルーベンス
20051016 | レビュー(評価別) > ★★★★ | - | -
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