トランスフォーマー
マイケル・ベイがスピルバーグを製作総指揮に迎え、人気アニメを実写映画化したブロックバスター作品。CGを使えばここまでできる、という大迫力のアクション大作ですが、観終わってから何も残らないのは相変わらずです。マイケル・ベイ作品の中では珍しく、設定を生かしながらも続編への目配せも忘れていないのは、トランスフォーマーという素材自体が既に料理され尽くしてアイデアも豊富にあるからなのでしょうか。ド派手なアクションと物語的なカタルシスは他に類を見ない完成度です。ただ、ロボットが変形する必然性があまりないのが残念。物語でも映像でも、変形することの面白さをもっとアピールしてほしかったところです。
演出的には、CGIキャラクターがスローモーションで画面いっぱいに描かれても不自然でないというのが地味に驚きでした。SFXに興味のある人なら、この要素だけでも一見の価値があるのでは。俳優では、僕のお気に入りであるジョン・タトゥーロが情けない軍人役で存在感を出していたのが良かった。シャイア・ラブーフについては、ここまでスピルバーグが推す理由が分からないんですが、善良な若者っぽさが良いんでしょうか。
ベイ監督が前作『アイランド』の際のインタビューで「色々違ったジャンルに挑戦したい」と語っていたにも関わらず、今作はかつてないほど単純明快なポップコーン・ムービーでした。確かに彼にしか撮れない映画ですが、個人的には、もっと 男臭い映画を撮ってもらいたいところです。
監督:マイケル・ベイ
出演:シャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル、ジョン・ヴォイト、ジョン・タトゥーロ

20110519 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -


ジェームズ・オバーによるカルト・コミックを、エジプト出身・オーストラリア育ちというアレックス・プロヤス監督で映画化したダーク・ヒーローもの。主演のブランドン・リーが撮影中に死亡するという事故があったものの、未撮影分が数カットだったこともあって映画化にこぎ着けられたといういわくつきの作品です。
旧シリーズとは一線を画した、クリストファー・ノーラン監督による人気ダーク・ヒーロー映画の第二弾。映画史上に残る大ヒットを飛ばしたものの、作品としては空疎そのものでした。
三池崇史監督、宮藤官九郎脚本、哀川翔主演というコテコテのスタッフが作り上げた異色のヒーロー映画。案の定、着眼点は良いのにそれを生かし切れていない脚本が泣き所でした。
アメコミ界の人気作家トッド・マクファーレンによる原作コミックを、いわゆるアニメ世代出身のマーク・ディッペ監督で映画化。アメコミそのままな展開は短絡的でしたが、主人公スポーンの再現率は良かった。
ウェズリー・スナイプス主演の大ヒット作の続編が、「
氾濫するアメコミ映画化モノの中では、地味ながらも成功したアクション作品。公開当時は迷って結局見に行かず、続編が公開されてから急いでDVDで観たんですが、これは劇場に行かなかったことを後悔しました。