デカローグ
ポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキによる、「愛」に関する十編のドラマ。静かな演出ながら感情を強く揺さぶられる、文句なしの傑作です。
それぞれ一時間という短さながら、現代の十戒とも言うべき荘厳で奥深い物語の数々に、観ていて何度も泣けてしまいました。シナリオはどれも単純で、演出も単調すぎるぐらいなのにここまで感動できてしまうのは、とにかく監督の視点の正直さにあると思います。なんでもないドラマだって、実際に自分の身に降りかかってみれば一大事なわけで、それを俳優の微妙な表情と、長尺でたゆたうようなカメラワークだけで表現してしまうセンスには、ただただ感服の一言しかありません。
どれも最高の作品なんですが、その中でも「第1話:ある運命に関する物語」「第5話:ある殺人に関する物語」は特にお気に入り。各話の登場人物が他の物語にちょっとずつ顔を出したり、ほぼ全ての物語に顔を出す謎の男(おそらくは“神の存在”の暗喩)など、細かい部分の作り込みも秀逸。ちなみに、第5話と第6話はそれぞれ再編集され「殺人に関する短いフィルム」「愛に関する短いフィルム」として劇場公開されています。
「これさえ観なければ、他の映画がもっと楽しめたのに」という映画は誰しも何本かはあると思いますが、僕にとってはまさにその筆頭ともいうべき映画。どんなエキセントリックな物語よりも心に突き刺さる”平凡なドラマ”です。必見。
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
出演:アレクサンデル・バルディーニ、クリスティナ・ヤンダ、ダニエル・オルブリフスキ、アドリアンナ・ビェジェインスカ
それぞれ一時間という短さながら、現代の十戒とも言うべき荘厳で奥深い物語の数々に、観ていて何度も泣けてしまいました。シナリオはどれも単純で、演出も単調すぎるぐらいなのにここまで感動できてしまうのは、とにかく監督の視点の正直さにあると思います。なんでもないドラマだって、実際に自分の身に降りかかってみれば一大事なわけで、それを俳優の微妙な表情と、長尺でたゆたうようなカメラワークだけで表現してしまうセンスには、ただただ感服の一言しかありません。
どれも最高の作品なんですが、その中でも「第1話:ある運命に関する物語」「第5話:ある殺人に関する物語」は特にお気に入り。各話の登場人物が他の物語にちょっとずつ顔を出したり、ほぼ全ての物語に顔を出す謎の男(おそらくは“神の存在”の暗喩)など、細かい部分の作り込みも秀逸。ちなみに、第5話と第6話はそれぞれ再編集され「殺人に関する短いフィルム」「愛に関する短いフィルム」として劇場公開されています。
「これさえ観なければ、他の映画がもっと楽しめたのに」という映画は誰しも何本かはあると思いますが、僕にとってはまさにその筆頭ともいうべき映画。どんなエキセントリックな物語よりも心に突き刺さる”平凡なドラマ”です。必見。
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
出演:アレクサンデル・バルディーニ、クリスティナ・ヤンダ、ダニエル・オルブリフスキ、アドリアンナ・ビェジェインスカ
20060411 | レビュー(評価別) > ★★★★ | - | -