★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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チャーリーとチョコレート工場

 ロアルド・ダールによる児童文学の傑作を、ティム・バートンが見事なまでに映画化。「ビートルジュース」や「シザーハンズ」以来となる極彩色の世界観は更に魅力を増していて、その方面でのバートン映画としては、これが集大成と言っても過言ではないでしょう。最近のバートン映画には勢いが足りないと思っていたところだったので、久々に純粋な「ティム・バートン作品」を十分に堪能できて大満足でした。

 ストーリーは終盤までほぼ原作通りで、後半の味付けも原作の雰囲気を損なっていません。物語だけでなく、原作を読んだ方なら夢想したであろう風景がそのままスクリーンに現れるのは圧巻。あのウンパ・ルンパの曲も原作と同じぐらい長く続いて欲しいと思ったりもしますが、そうすると緩慢でしょうか。
 他にも、ジョニー・デップやフレディ・ハイモアの名演、定番のダニー・エルフマンによる音楽など、褒めるべき点が多すぎて書ききれません。大作系になるとどうしても軽薄な演出が目立つ近年のハリウッド映画界において、ここまで確固として自分の世界を貫けるティム・バートンに、ただただ感謝するばかりの2時間でした。

 何はともあれ、バートンならではの映像世界が自由奔放に繰り広げられる由緒正しいメルヘンでした。バートンと児童文学のファンならば必見、です。

監督:ティム・バートン
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア
公式サイト
20050912 | レビュー(評価別) > ★★★★ | - | -
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