★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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シモーヌ

 「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督によるSF作品。ヴァーチャルアイドルに対する真摯な考察かと思いきや、実際はハリウッド楽屋オチ的な皮肉に満ちたコメディ作品でした。

 前作で見せたSF的イマジネーションそのままに、実在する”夢の都”ハリウッドを描き出す着眼点は流石。倉庫が建ち並ぶ撮影所の風景すらメリハリをつけて描ける映像センスもあって、最後まできっちり惹きつけられる物語に仕上がっています。ただ、どこか物足りなさが残るのはイマイチ暴走できていない脚本のせいでしょうか。パチーノがPCを操って”微調整”するシーンなんか最高なんですが、誰かを傷つけてまで笑おうという思い切りが無いために、”お上品”から一歩踏み出せていない印象でした。
 SF的なツッッコミどころは多々ありますが、それを犠牲にしても一般人に分かりやすい展開にしているのには好感が持てます。SFが苦手な方のほうが楽しめるかもしれません。何より、パチーノが冒頭でぶちあげる”映画論”が最高なので、日頃からハリウッド映画に不満を募らせている方は是非。

監督:アンドリュー・ニコル
出演:アル・パチーノ、レイチェル・ロバーツ、ウィノナ・ライダー、キャサリン・キーナー
20060125 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (1) | trackbacks (0)
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Comments

Percy Beaumont genially assented. “Nobody certainly could have been more civil.”
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