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シン・シティ

 R・ロドリゲス監督がデビュー当時から映画化したかったというグラフィック・ノベルのカルト的作品を、その原作者を共同監督に迎えて制作した話題作。これでもかというバイオレンス映画を期待していたので大満足でした。

 これはパルプ・フィクション的な理想郷である「シン・シティ」で繰り広げられる、ある種のファンタジーですね。ハードボイルドの定番をふんだんに盛り込みつつ、映画的なケレンに溢れたストーリーが秀逸。出てくる男はロクデナシかサイコ野郎で、女はビッチ限定という世界観は、ハマれる人はとことん楽しめるのでは。コミックそのままの、コントラストの強いモノクロ映像も見事。バイオレンス描写もどこかユーモアがあって、言われているほど激しいとは思いませんでした。デートには向かないという感想をたまに読みますが、chako氏は大喜びだったので女性だからダメということはないと思います。
 そしてミッキー・ロークほか俳優陣が良い! 個人的にはクライヴ・オーウェンが期待以上の色気を振りまいていたのがツボでした。デル・トロやイライジャ・ウッドは、相変わらず気持ち悪い役が似合います。女性陣ではゲイル役のロザリオ・ドーソンがビジュアルも役回りも格好良かったかなと。

 ところで、ロドリゲスはタイトルロールにある通り"SHOOT AND CUT"がメインで、実質の監督はフランク・ミラー本人だったようですね。そのためか、他のロドリゲス作品とは一線を画す仕上がりでした。台詞も構図も原作そのままのようなので、これは「スクリーンで観るコミック」なのでしょう。コミックとか映画とかいう枠組みを無視して、こういう試みを実現してしまう才能は大事だと思います。というわけで続編にも期待。

監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
出演:ミッキー・ローク、ブルース・ウィリス、クライヴ・オーウェン、ジェシカ・アルバ、ベニチオ・デル・トロ、イライジャ・ウッド、デヴォン青木、ロザリオ・ドーソン、ジョシュ・ハートネット
公式サイト
20051030 | レビュー(評価別) > ★★★★ | - | -
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