カラフル
森絵都による原作小説を、映画クレヨンしんちゃんシリーズで名を馳せた原恵一監督が再映画化。やりたいことは分からなくもないんですが、その手法を疑問視したくなる内容でした。観終わっての第一印象としては、とにかく全てがダサかった。特に主人公の家庭が抱える問題が物語の重要な要素なのに、その描き方が中途半端なものなので、登場人物の苦悩も他人事にしか思えませんでした。細かい描写を積み重ねて事実の大きさを実感させるのではなく、言葉で全て説明しようとしたのが一つの要因でしょう。
同様に、アニメーションとしての気持ちよさも作品からは見られませんでした。映画全体を落ち着いたものにしようとしたのか、人々の動きやカット割りなどがとてもスローですが、登場人物がアニメーション的に描き分けられていないので、ただ退屈なだけになっています。唐突に入る音楽も場違いだし、玉電のくだりもテーマとの関係は薄い。全体に、センスに疑問を感じる作品でした。
リアルさ重視のアニメほど「アニメでやる理由」が問われると思いますが、この映画はそれに対する回答が皆無でした。今時の中学生の感情を通して普遍的なテーマを描きたいのなら、やはり実写でやって欲しかった。
あと、余談ですがTVCMでオチのネタバレをされたのも悪印象に一つ買っています。核心を言わなくても、その直前の台詞を言われたら普通わかりそうなものなのに。結果それ以上の何かがある、と期待してしまったので、最後の10分は白けてしまいました。そういうマーケティングも含めて、とても残念な作品です。
監督:原恵一
原作:森絵都
出演:冨澤風斗、宮崎あおい、南明奈、まいける、麻生久美子、高橋克実

20110415 | レビュー(評価別) > ★ | - | -



ジェームズ・オバーによるカルト・コミックを、エジプト出身・オーストラリア育ちというアレックス・プロヤス監督で映画化したダーク・ヒーローもの。主演のブランドン・リーが撮影中に死亡するという事故があったものの、未撮影分が数カットだったこともあって映画化にこぎ着けられたといういわくつきの作品です。
イギリスのカルトSFコメディ小説の映画化作品。いかにもイギリス的な皮肉が楽しめるものの、映画としては若干まとまりにかける印象でした。
あまりにも偉大な父を持ってしまった宮崎吾朗監督の、これがアニメーション初監督となる長編作品。原作は「指輪物語」「ナルニア国物語」と並んで世界三大ファンタジーの一つに数えられる傑作小説。初監督にしては意欲的な内容に、まずは安心させられました。
子供向け人気夏休みホラー映画の第三弾。今回は新「ガメラ」シリーズの金子修介監督にバトンタッチしたため、ガラリと変わった雰囲気が新鮮でした。
平山秀幸監督による夏休み怪談映画シリーズ第二弾。俳優はかなり豪華になって楽しいんですが、映画自体はパワーダウンの観が否めません。
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爆発的な人気を誇るアニメシリーズの劇場版第9作。「大人も泣ける子供向けアニメ」であった同シリーズの決定版的な内容で、映画秘宝誌での年間ベスト1に輝くなど話題をさらった作品です。
スタントマン出身のハーディ・マーティンスが製作、監督、原案、主演そしてもちろんスタントもやったというバカアクション映画、だと思って観たんですが、実際はアクションもドラマも中途半端な内容でした。