★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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太陽を盗んだ男

  長谷川和彦監督、沢田研二主演による、日本犯罪映画史上に輝く金字塔。まさにカルト映画と呼ぶにふさわしい、強烈なメッセージを含んだ傑作です。

 あまりの評判の良さに観たら落胆するのではと危惧していましたが、実際は感動ばかりで頭の中がぐるぐる回っていました。原爆を作ってしまうという突拍子もない展開も面白いんですが、”その後”の主人公の行動が、現代の日本人の心境を巧みに反映していて背筋が震えました。荒削りな演出もあってか、大作映画的な作りなのにテーマが全く薄れていないのにも驚かされます。
 沢田研二の無軌道っぷりは、まさに時代の主人公として様になっています。刑事役の菅原文太がちょっと濃ゆくて困ったのですが、それがあの後半は自然に消化されていたのには驚きました。コミカルな人物描写で、作品の雰囲気を深刻にし過ぎないバランス感覚が絶妙。アクションシーンなんかに昔っぽさをひしひしと感じてしまうのも、ここまで作品の出来が良いと気になりません。ビルを押すシーンとか、わけが分からないけど印象的なシーンの作り方も巧いですね。

 とにかく、日本映画が好きな人にも嫌いな人にもお薦めの作品。これだけパワーのある映画を昔の日本は撮れていたのだ、という事実に何より感心させられるのは確実です。

監督:長谷川和彦
出演:沢田研二、菅原文太、池上季実子、北村和夫、風間杜夫、伊藤雄之助
20060210 | レビュー(評価別) > ★★★★ | comments (2) | trackbacks (0)
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