逆噴射家族
小林よしのり原案、石井聰亙監督によるバイオレンス・コメディ。日本人的な笑いと石井聰亙の演出という、あまりにミスマッチな組み合わせが何もかも打ち砕く、非常にパワフルな秀作です。小林克也を家長とする見るからに平均的な家庭が、あっという間に崩壊していく様がとにかく気持ち悪くて楽しい。ナンセンス・コメディとしてはある意味スタンダードな脚本なんですが、そこを極端にデフォルメし、過剰すぎるほどの演出で印象づける石井聰亙監督の手腕は流石。それに俳優陣も良い演技をしています。日常生活と、ストレスが表面化した後の壊れっぷりとの対比が出来ているので、それぞれに鬼気迫るものがありました。
それにしても小林克也のお父さんは、ハマり過で黙っていても笑えますね。現代の家族問題を皮肉った作品とも取れますが、そんな小難しいことは考えずとも楽しめる、良質のブラック・コメディでした。
監督:石井聰亙
原案:小林よしのり
出演:小林克也、倍賞美津子、植木等、工藤夕貴、有薗芳記

20060211 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -

塚本晋也監督による、江戸川乱歩小説の映画化作品。この二人の相性は抜群ですね。乱歩世界の持つ独特の懊悩感が、映像に見事に現れていました。
CF界で活躍していたデヴィッド・フィンチャー監督の長編映画デビュー作であり、今でもファンの間からはいろいろと非難され続けれいるシリーズ第三作。でもこれ、僕は好きです。
リドリー・スコット監督によるSFホラー映画。宇宙船という密閉された空間設定と、エイリアンというクリーチャーの組み合わせが絶妙な傑作です。
ビリー・ボブ・ソーントンが監督・脚本・主演の三役を務め、その名を一躍ハリウッドに知らしめた秀作。寓話的な物語なのに、不思議と説教臭さはありません。
1972年に起きた銀行強盗事件を下敷きに、シドニー・ルメット監督が制作したサスペンス映画。うだるような夏の暑さが、70年代の持つ熱狂した空気を感じさせる傑作です。
ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の監督デビュー作を、本人達が再編集したもの。初監督作品とは思えないほど練り込まれたシナリオに思わず唸らされる、サスペンス映画の傑作です。
「
山本英夫によるカルト・コミックを、多作で知られる三池崇史監督で映画化。とにかく映画全体に溢れるエネルギーが凄い。残酷描写が多いのに、それらをギリギリのところで制御しつつ笑いに変えているので、気持ち悪いとは感じませんでした。
新人監督トロイ・ダフィーによる痛快アクション。頭の悪い物語と、ただ銃を撃ちまくるだけのアクションは好き嫌いが分かれそうですが、アメコミ・ヒーロー的な単純明快さが楽しめる快作でした。