★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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処刑人

 新人監督トロイ・ダフィーによる痛快アクション。頭の悪い物語と、ただ銃を撃ちまくるだけのアクションは好き嫌いが分かれそうですが、アメコミ・ヒーロー的な単純明快さが楽しめる快作でした。

 主人公二人の絵に描いたような兄弟コンビっぷりも、それを追う刑事役ウィレム・デフォーのありえなさも、突き抜けていて笑えます。デフォーの解説がかぶるアクションシーンは、映像自体がありきたりなスローモーションなのについつい引き寄せられてしまいました。啖呵の切り方や最後の法廷シーンなども適度に軽く、ヒーローものらしいケレンが満載。何より映画の殆どが銃撃戦で構成されているので、見終わったあとの満足感が違います。深いことは考えずに楽しむには最適なアクション映画でした。
 俳優ではやはりウィレム・デフォーの不気味さが見物。出てくるたびに笑わせてくれるのに、頼りにできそうな雰囲気は流石です。あとは、イタリアン・マフィアのボスがTV版「ニキータ」などに出演していたカルロ・ロタで驚きました。この人のお茶目な感じも好きです。

 非常に痛快な映画なんですが、時を同じくして起きたコロンバイン高校銃乱射事件との類似性のため、米国でも日本でも限定公開という憂き目にあったそうです。監督と脚本を兼ねるというハリウッド・ドリームを体現しながら、それが一夜で水泡に帰したトロイ・ダフィー監督とこの映画の舞台裏については "Overnight" というドキュメンタリーも制作されていました。監督には映画制作に復帰してもらいたいところですが、ちょっと難しそうですね……。

監督:ウィレム・デフォー
出演:ショーン・パトリック・フラナリー、ノーマン・リーダス、ウィレム・デフォー、デヴィッド・デラ・ロッコ
20060117 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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