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エイリアン3

 CF界で活躍していたデヴィッド・フィンチャー監督の長編映画デビュー作であり、今でもファンの間からはいろいろと非難され続けれいるシリーズ第三作。でもこれ、僕は好きです。
 脚本が何回も書き直されたとかラストを撮り直したとか、試行錯誤の末に出来上がった作品だけあって映画自体も混乱を極めているものの、フィンチャー監督の荒削りながら突出したセンスを感じられる秀作だと思います。確かに物語の焦点が定まらないという欠点はありますが、宗教的でレトロフューチャーな設定やビジュアル、グロテスクかつ精神性にこだわる残酷描写などは、シリーズ中でも抜群の完成度。設定やキャラクターを描き切れていない観はありますが、映像の端々に表れる作り込みからは、刑務所惑星という空間の広がりも感じられます。エイリアンとリプリーの関係も語りすぎないところが丁度良い。ラストも、あれこそ英断と言いたいんですが……。

 エンターテインメントを求めて観れば確かに突っぱねられますが、一作目の精神を生かしつつ付加価値を与えることが出来た、正統な続編だと考えています。二作目が好きな人には否定派の多い映画ですが、二作目を受け入れられなかった人にはむしろオススメのホラーかと。

監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:シガニー・ウィーヴァー、チャールズ・S・ダットン、ランス・ヘンリクセン
20060204 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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