★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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殺し屋1

 山本英夫によるカルト・コミックを、多作で知られる三池崇史監督で映画化。とにかく映画全体に溢れるエネルギーが凄い。残酷描写が多いのに、それらをギリギリのところで制御しつつ笑いに変えているので、気持ち悪いとは感じませんでした。

 まず俳優の演技に唸らされます。主演の二人ももちろん素晴らしいんですが、それ以外の俳優のハマりっぷりも最高で、突飛な話に絶妙なリアリティを与えていました。ヤクザ映画出身の三池監督ならではの人選もニヤリとさせられます。それに原作と異なりつつも、映画的なインパクトと寂寥感に溢れたラストが圧巻。原作に対する三池監督なりの解釈の仕方なのでしょうか。原作にあるような切実なドラマはこの映画からは端折られていますが、このラストがあることで、また違った深みを物語から感じることが出来ました。
 実は映画を観てから原作を読んだんですが、これはどっちが先でもイメージを崩されることはなさそう。映画のアレンジの仕方が上手いのでしょう。ここまで原作のイメージを尊重した映画化作品というのは、初めて見たように思います。

 浅野忠信のキレっぷりは流石。 北村道子の衣装も必見です。それと、原作者と撮影監督は同姓同名の別人だとか。珍しいこともあるものです。ともあれ、原作ファンだけでなく、バイオレンス映画ファンには必見の一作です。

監督:三池崇史
原作:山本英夫
出演:大森南朋、浅野忠信、エイリアン・サン、SABU、松尾スズキ、塚本晋也、KEE、國村隼、寺島進
20060118 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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