魔女の宅急便
角野栄子による人気児童文学を、宮崎駿率いるスタジオジブリがアニメ映画化。これまでの宮崎作品に比べると対象年齢が高めの、おっとりとしたファンタジーに仕上がっています。最初に観たときは良さが分からなかったんですが、大学生のころだかに観て、なかなか深いドラマに驚かされました。多感な年頃の少女の葛藤と、魔女の修行とが巧みに絡められたドラマはなかなか説得力があります。ウジウジ悩む話は嫌いなんですが、画家ウルスラのエピソードなどで方向性を示す分かりやすい展開でむしろウィットを感じました。アニメとしての作画なども秀逸で、主にストックホルムをモデルにした街のデザインはジブリ作品のなかでも屈指の美しさ。あと、ユーミンの曲を主題歌に使ったのも印象的です。
最後の飛行船のシーンだけは無理矢理エンタテイメントさせた観がありますが、それでも宮崎作品らしい飛行シーンが楽しめるのは嬉しいところ。胸躍る冒険譚というより、じわりと心に染みるドラマです。
監督:宮崎駿
原作:角野栄子
出演:高山みなみ、佐久間レイ、戸田恵子、山口勝平、加藤治子、関弘子、井上喜久子、山寺宏一、西村知道

20060408 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -

宮崎駿監督による大ヒット長編アニメ。この映画に関しては説明不要でしょう。ノスタルジックな風景と、健気な子供達が印象的な作品です。
宮崎駿監督の長編アニメデビュー作。ルパンの服の色を変えたり、カリオストロ公国が妙にリアルだったりと、いつものルパン映画らしくない作り込みで、今でもファンの心を捉えて離さない名作です。
市川崑監督による、石坂金田一シリーズ第二弾。前作と好対照を成す落ち着いた構成と、岡山の土俗的な空気が非常にマッチして、なんともいえない味のある暗さを作り出した、シリーズ中でも出色の作品です。
角川書店の映画進出第一作目。市川監督の独特のタッチが見事であり、探偵金田一耕助のキャラクタも人気を博すなどしてヒットを記録したミステリの秀作。
パトリス・ルコント監督が、アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドというフランスの二大スターを主演に撮りあげた痛快アクション。ダンディな魅力満載で、笑いもアクションも楽しめる良作です。
「ダーティーハリー」のドン・シーゲル監督が、「おかしな二人」のウォルター・マッソーを主演に迎えて放つ傑作犯罪アクション。顔に似合わずシリアスな活躍を見せたマッソーに惚れ惚れします。
「
フランス映画界の俊英、フランソワ・オゾン監督によるミュージカル。女性同士の憎しみや企みなどを巧みに盛り込んだシナリオを、様々なジャンルの音楽で飾った内容は豪奢そのものでした。
常にひと癖ある映画を撮り続けるリチャード・リンクレイター監督による、コテコテスポ根風味のロック映画。ファミリー向け映画のふりをして、実はロック好きの精神が詰まった佳作です。