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8人の女たち

 フランス映画界の俊英、フランソワ・オゾン監督によるミュージカル。女性同士の憎しみや企みなどを巧みに盛り込んだシナリオを、様々なジャンルの音楽で飾った内容は豪奢そのものでした。
 女優一人ごとにメインになる曲があり、それを順番に歌っているうちに話も進むというトリッキーな展開。女性のしたたかさが存分に描かれた脚本もなかなか見物です。しかし何と言っても、この映画の一番の見所は出演している女優の豪華さでしょう。映画ファンなら唸ってしまう名優ばかりで、一つの画面に収まっているだけでも圧巻なのに、そんな彼女達が歌って踊っていがみ合うというこの企画自体に絶対的な魅力があります。犯人探しなどそっちのけで、女性たちの駆け引きを楽しんでしまいました。”女性の醜さ”を描くのに美女ばかりを配し、取っ組み合いまでさせたあげくコメディに仕立ててしまうオゾン監督のセンスは凄いなあ、と。

 ドヌーヴとアルダンの演技合戦は必見。エマニュエル・ベアールも久々に良かった。とにかく分かりやすくて楽しい映画でした。フランス映画をあまり知らない方でも、ぜひ。

監督:フランソワ・オゾン
原作:ロベール・トーマ
出演:ヴィルジニー・ルドワイヤン、リュディヴィーヌ・サニエ、カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、ダニエル・ダリュー、イザベル・ユペール、ファニー・アルダン、フィルミーヌ・リシャール
20060310 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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