悪魔の手毬唄

エキセントリックさの目立つ前作に対して、今回はあくまでミステリの基本に忠実。犯人当てらしいギミックを盛り込みつつ、最後は横溝小説らしくお涙頂戴に持っていく定番の構成が効いています。手毬唄の不気味さや、犠牲者の陰惨な殺され方はトラウマものの怖さ。それでも落ち着いたトーンを保ち続ける映像と音楽が、映画全編を一つのカラーで貫く完成度の高い内容でした。
俳優では、ひたすら岸恵子がキレイ! この人が出てくると画面が一気に華やかになります。ラストの展開などは説明的で辛いところもあるんですが、その華やかさのおかげで苦になりませんでした。相変わらずの石坂浩二や加藤武は安心して観られますし、大滝秀治、三木のり平、小林昭二といった常連組の出演も嬉しくなります。
個人的には、僕の父親の地元である岡山の地名や言葉が多々出てくるので、こればかりはひいき目に見てしまいました。それでなくても、金田一ミステリの代名詞とも言えるもの悲しい空気が映画全編から感じられる、非常にオススメの一本です。ミステリファンならずとも、ぜひ。

監督:市川崑
原作:横溝正史
出演:石坂浩二、岸恵子、若山富三郎、仁科明子、北公次、渡辺美佐子、辰巳柳太郎、草笛光子、原ひさ子、川口節子、中村伸郎、加藤武、常田富士男、大滝秀治、三木のり平、小林昭二

Comments
良くこんなのばっか観て夜寝られますね!!!
だからたまに観てしまうとダメなんです。「ブレア・ウィッチ2」とかはコテコテのホラーなので、観た日の夜は辛かった…。
幽霊はフィクションじゃないのか、とかツッコミどころはあるので、究極的には感情論なんですが。