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クロウ/飛翔伝説

 ジェームズ・オバーによるカルト・コミックを、エジプト出身・オーストラリア育ちというアレックス・プロヤス監督で映画化したダーク・ヒーローもの。主演のブランドン・リーが撮影中に死亡するという事故があったものの、未撮影分が数カットだったこともあって映画化にこぎ着けられたといういわくつきの作品です。
 カラスの目を通して描かれたかのような不安定な視点のカメラワーク、全編に流れるオルタナティヴ・ロックなどが、原作通りのダークな世界観とマッチしています。主演のブランドン・リーの狂気に満ちた演技もいい。ただ、元々のストーリーがロマンチシズムに沈みすぎて救いがないのが辛い。主人公の悲劇を描くには話が軽すぎ、そのわりに人だけがバタバタ死んでいくのはあまり情緒があるとは言えません。

 ブランドン・リーは、今後が期待できる俳優だっただけに非常に残念でした。たまたま原作を読む機会があったんですが、こちらもなかなか面白いので、映画を気に入った方は原作も是非。

監督:アレックス・プロヤス
原作:ジェームズ・オバー
出演:ブランドン・リー、アーニー・ハドソン、マイケル・ウィンコット
20081004 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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