シャーロック・ホームズ
コナン・ドイル作の世界一有名な探偵小説を、心機一転アクション大作として映画化。ホームズとガイ・リッチー監督という意外な組み合わせが、不思議なほどよくハマっています。今回のホームズは喧嘩っ早くて不精者で、これまでのイメージと違いとても英国紳士には見えません。しかしこのイメージは原作にも少なからずあるものなので、原作ファンとしては違和感はありませんでした。同じく武闘派でハンサムになったワトソン君との相性もバッチリで、21世紀らしいアレンジと言えるのでは。そもそも原作だってゴリ押し推理だらけの大衆向け娯楽小説なので、このぐらいの軽さが丁度良いというものです。随所に印象的なアクションをはさんだり、後半のこれでもかと盛り上げる展開も大作らしく、最後までしっかり楽しめます。
監督らしいカメラワークも健在。特に冒頭のロンドン望遠からの一連のシークエンスなど、リッチー監督ならではの演出が映画に良い遊びを加えています。ハンス・ジマーによる音楽も印象的。惜しいのは、ホームズらしい“頭脳派”アクションが前半しか楽しめないこと。あのアイデアは素晴らしいので、後半でも活用して欲しかった。また俳優の演技も、準備期間が少なかったのかどこかぎこちないのが残念です。
いくつか心残りはありますが、全体としてはとても素晴らしいアクション映画でした。既に次回作も動き始めているようですが、今回の勢いのままさらにパワーアップした映画になることは間違いないでしょう。今から公開が楽しみです。
監督:ガイ・リッチー
原案:ライオネル・ウィグラム、マイケル・ロバート・ジョンソン
出演:ロバート・ダウニー・Jr.、ジュード・ロウ、レイチェル・マクアダムス、マーク・ストロング、ケリー・ライリー、エディ・マーサン

20110407 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -






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