★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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サンシャイン2057

 すっかりハリウッド色が強くなったダニー・ボイル監督によるSFサスペンス。ストーリーより映像に力が入っちゃうあたりも相変わらずでした。

 SFというのは科学的かつ哲学的な骨子が重要である点でファンタジーやホラーとは一線を画していると思うのですが、この映画は極限状態のみに焦点を絞っていて、科学的な意味でのカタルシスが脇役になっています。それを良しとするかどうかで評価が分かれそうですが、僕は不満でした。ラスト付近のアプローチは面白いものの、その背後に哲学性が感じられないのは、過去の名作をなぞることにに力を注ぎすぎたからかもしれません。
 俳優では、「28日後…」から続いて出演のキリアン・マーフィーが期待に違わずフェロモンをふりまいていましたが、映画としてはかみ合っていないような。唯一良かったのは映像。宇宙空間の広大さと崇高さをここまでリアルに描いた作品は、近年珍しいのではないでしょうか。

 7年前に消息を絶った宇宙船という設定から「クライシス2050」を連想する方も多いのでは。図らずもこの映画は、それと似た印象ばかり覚えました。

監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ、ミシェル・ヨー、クリス・エヴァンス、真田広之
20081007 | レビュー(評価別) > ★ | comments (0) | trackbacks (0)
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