ブラザーズ・グリム
「ラスベガスをやっつけろ」以来、実に7年ぶりとなるテリー・ギリアム監督の作品。「バロン」ばりのメルヘン超大作で、監督ならではの毒は控えめなものの、映画としては普通に楽しめる良作でした。
製作会社側からかなり圧力を受けたようで、俳優のチョイスもストーリーも、それどころか広告展開までライトな大作映画のノリですが、細かいところにギリアムならではの皮肉が効いています。何しろ舞台からしてドイツとフランスのいがみ合いですから、モンティ・パイソンからのファンとしては始終笑わされっぱなしでした。グリム童話のオールスターといった節操のないフィーチャーの仕方も洒落が効いていて、ギリアムらしい凝りまくりの美術と衣装も、いかにもな雰囲気の森も、全てが監督の鬱憤をそのままぶつけたかのようなインパクトがあります。
俳優も見所満載で、主演二人の配役の意外性、ジョナサン・プライスの手慣れた憎まれ役、ピーター・ストーメアのオーバーアクトと”イタリア訛りのフランス英語”などなど。モニカ・ベルッチも見事に女王になっていますし、子供達も可愛いし、相変わらずギリアム監督は俳優の魅力を引き出すのが巧みですね。
どんなに隠そうとしても見えてしまう「ギリアム色」にファンとしては嬉しくなってしまいました。これだけの大作を、渋々ながらもソツなく撮り上げてしまうのは、ギリアム監督が映画に対する情熱を失っていない証拠です。ダークなオチや泥沼の精神描写は次回作以降に期待するとして、ここはギリアム監督の帰還を拍手で迎えたいところです。
監督:テリー・ギリアム
出演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、レナ・ヘディ、モニカ・ベルッチ、ジョナサン・プライス、ピーター・ストーメア
公式サイト
製作会社側からかなり圧力を受けたようで、俳優のチョイスもストーリーも、それどころか広告展開までライトな大作映画のノリですが、細かいところにギリアムならではの皮肉が効いています。何しろ舞台からしてドイツとフランスのいがみ合いですから、モンティ・パイソンからのファンとしては始終笑わされっぱなしでした。グリム童話のオールスターといった節操のないフィーチャーの仕方も洒落が効いていて、ギリアムらしい凝りまくりの美術と衣装も、いかにもな雰囲気の森も、全てが監督の鬱憤をそのままぶつけたかのようなインパクトがあります。
俳優も見所満載で、主演二人の配役の意外性、ジョナサン・プライスの手慣れた憎まれ役、ピーター・ストーメアのオーバーアクトと”イタリア訛りのフランス英語”などなど。モニカ・ベルッチも見事に女王になっていますし、子供達も可愛いし、相変わらずギリアム監督は俳優の魅力を引き出すのが巧みですね。
どんなに隠そうとしても見えてしまう「ギリアム色」にファンとしては嬉しくなってしまいました。これだけの大作を、渋々ながらもソツなく撮り上げてしまうのは、ギリアム監督が映画に対する情熱を失っていない証拠です。ダークなオチや泥沼の精神描写は次回作以降に期待するとして、ここはギリアム監督の帰還を拍手で迎えたいところです。
監督:テリー・ギリアム
出演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、レナ・ヘディ、モニカ・ベルッチ、ジョナサン・プライス、ピーター・ストーメア
公式サイト
20051127 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -