スノーホワイト
グリム童話「白雪姫」のダークな面をも再現した、ファンタジー映画の秀作。こういうのは企画だけが一人歩きして内容がついてこない場合が多いんですが、今回は及第点どころかその上をいく出来で驚かされました。そもそもシガニー・ウィーヴァーとサム・ニールという配役からして笑ってしまうぐらいホラー向け。途中で出てくる「七人の小人」や魔女の動機付け、はては置きパンなどのダイナミックなカメラワークも、ディズニー版のイメージを完全に覆すブラックな出来栄えで、いい意味で期待を裏切ってくれました。ただし全体的に限界が見えてしまっているのが惜しかった。セットの狭さや技術の無さを演出でカバーしているものの、それが分かってしまう瞬間がありました。そのあたりが企画モノの限界なのかも。
それでも普通のB級ホラーとは一線を画す映画として、ホラーなメルヘンを期待する方にはお薦めです。特にシガニー・ウィーヴァーの継母ぶりは必見。
監督:マイケル・コーン
出演:モニカ・キーナ、シガニー・ウィーヴァー、サム・ニール

20051129 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

イギリスを代表するブラックコメディ集団モンティ・パイソンによる、初の本格劇映画。本国イギリスの伝説的英雄である「アーサー王と円卓の騎士」をものの見事に皮肉った、まさにカルト・コメディの代表作と呼ぶにふさわしい作品です。
「
江戸川乱歩の怪奇小説4編を、4人の監督でオムニバス映画化。大満足とはいきませんでしたが、意欲的な実験作の空気を味わえたことと、実相寺乱歩の新作を楽しめたのは良かった。
レニー・ハーリン監督がシルベスター・スタローンと組んで撮り上げたF1レース映画。単純バカレース映画を期待していたせいか、劇場で観たのが良かったのか、なかなかに楽しめました。
自身がロケ地となったレストラン「ジジーノ」のオーナーでもあるというボブ・ジラルディ監督による、小粋なドラマ作品。最後にちょっとしたスパイスを利かせていますが、それ以上に地味なシーンを繋いでいく演出力が冴えています。
ジョニー・デップ主演の風変わりなラブ・ストーリー。デップを見ているだけでも良いのですが、そつのない展開とキャスティングの妙が楽しめる、良質の作品です。
映画監督になりたい青年アルドルフォと、謎の老人ジョーの奇妙な友情を描いたドラマ。プロットだけなら単純な物語なんですが、キャラクターが魅力的なおかげでまったく飽きずに観ることが出来ます。と思ったら、どうやら監督の実体験に基づいた話だそうで、映画も老人ジョーに捧げられていました。なるほど。しかし、とても実話とは思えないほど魅力的な物語です。
モノクロ・ハンディカメラで撮られた実験色の強い作品。トリアー監督をはじめ、実在の人物が多数「本人」として登場し、現実と空想の境目が不明瞭な中で物語が展開します。映画としてはひどく退屈かも知れませんが、相変わらず不快感をかき立てる映像など、トリアー監督らしい力強さのある作品でした。