ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
ギタリストのライ・クーダーが、キューバ音楽に魅せられて製作した同名のアルバムをめぐるドキュメンタリー。キューバ音楽の、時を経ても色褪せない魅力がたっぷりと詰まった佳作です。僕はキューバ音楽に詳しいわけではないので、細かい解説は余所に譲ります。ただ、コンパイ・セグンドやエリアデス・オチョアといったキューバの老ミュージシャンたちの演奏は想像以上にパワフルで、しかも中には90を過ぎた人もいるのになおセクシーなのには驚かされました。音楽で人生を語れる彼らは純粋に魅力的ですし、その言葉の裏にはキューバの過酷な歴史が明確に存在しています。そういった厚みを観客に意識させた上で見せる、ラストのカーネギーでのコンサートは、これはもう反則。全てが美しくて、ただ惚れ惚れするばかりでした。
もちろんアルバムも購入しました。どの曲も名曲ですね。もう随分聴き込んでいるので、今観ると多分映画の評価も上がってしまうだろうなあと思いつつ、一応初見の時の評価のままで。だって素材の良さが映像を上回ってるんだもの。
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ルベーン・ゴンザレス、イブライム・フェレール、ライ・クーダー、オマーラ・ポルトゥオンド、エリアデス・オチョア、コンパイ・セグンド、ヨアキム・クーダー

20060308 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

常にひと癖ある映画を撮り続けるリチャード・リンクレイター監督による、コテコテスポ根風味のロック映画。ファミリー向け映画のふりをして、実はロック好きの精神が詰まった佳作です。
本国アメリカでは記録的な大ヒットとなった舞台劇を、舞台と同様ジョン・キャメロン・ミッチェルの監督・脚本・主演で映画化し、2001年度のインディペンデント映画界において最も話題をさらった作品。予告編のビジュアルからはトリッキーな印象を受けたんですが、実際観ると非常に普遍的な物語で驚かされました。
バズ・ラーマン監督の"レッド・カーテン三部作"の完結編となるミュージカル映画。期待をはるかに上回る内容に驚かされました。正統派ミュージカルのベクトルを現代的に発展させつつ、とことんまで極めたような印象です。
70年代のイギリス・グラムロックシーンを題材にした実話風ドラマ。俳優や映像は良いんですが、当時の事情を知らない人間にはピンと来ない内容でした。
ダニエル・クロウズの人気コミックを、「クラム」のテリー・ツワイゴフ監督で映画化。「ダメに生きる」というキャッチコピーからして僕のツボに響きまくりで、とても印象的な青春映画でした。
フランシス・ヴェベール監督による軽妙なコメディ。舞台劇のように一つの部屋で繰り広げられるドタバタ劇で、練り込まれたシナリオが秀逸な佳作です。
カンヌ広告祭等で多くの賞を受賞しているロイ・アンダーソン監督による不条理芸術映画。ペルーの詩人セサル・バジェホの詩に影響されたという物語は、とにかく不条理で何が何だか、でした。
シドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」をモチーフにした東京サンシャインボーイズの舞台劇を、中原俊監督で映画化。登場人物の日本人らしい葛藤に、腹がよじれるほど笑える傑作コメディです。
周防正行監督による HOW TO もの映画第三弾にして、日本国内に社交ダンスブームを起こしたほどの大ヒット作品。相変わらずゆったりとしたテンポでそこはかとなく笑える映画のムードは最高なんですが、ちょっと豪華になりすぎてしまった感じでした。