Shall We ダンス?
周防正行監督による HOW TO もの映画第三弾にして、日本国内に社交ダンスブームを起こしたほどの大ヒット作品。相変わらずゆったりとしたテンポでそこはかとなく笑える映画のムードは最高なんですが、ちょっと豪華になりすぎてしまった感じでした。”ズブの素人が慣れない環境で奮闘しつつ、地道な努力で着実に上達する”というスポ根の基本を丁寧に描写しつつ、その端々でほのぼのとした笑いを誘うところは相変わらず見事。ロマンチックな演出や深みを増したドラマのおかげで、前二作から一気に30分以上も延びた上映時間が気にならないほどでした。ただ、”感動”に比重が置かれてしまった物語は、ちょっと重くていまいち乗り切れません。いくら映画とはいえ、ラストダンスの展開もちょっと辛い。もしかしたら、それまで映画ひと筋だった周防監督が、草刈民代というダンサーに”浮気”した顛末を描いた作品なのかなあ、と邪推をしてしまいました。
それでも純粋に笑えて感情移入できる立派なコメディなのは確か。何より役所広司の名演と、草刈民代の才能が見事に結実した、大人向けのラブコメに仕上がっているのは万人の認めるところでしょう。竹中直人、渡辺えり子、徳井優といった脇のキャラクターも秀逸。周防監督は、この作品以降沈黙を続けているんですが、ハリウッド版も無事に公開されたことだし、そろそろ新作の話題を聞きたいところです。
監督:周防正行
出演:役所広司、草刈民代、竹中直人、渡辺えり子、徳井優、田口浩正、草村礼子、宮坂ひろし、原日出子、柄本明、本木雅弘

20060227 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

「
三池崇史監督、宮藤官九郎脚本、哀川翔主演というコテコテのスタッフが作り上げた異色のヒーロー映画。案の定、着眼点は良いのにそれを生かし切れていない脚本が泣き所でした。
佐藤純弥監督による、日本パニック映画史上に残る大傑作。新幹線ひかり号に爆弾を仕掛け、時速80キロ以下になるとそれが爆発する、という発想を有効に活用した脚本が秀逸でした。
望月峯太郎による同名コミックを、CF界出身でこれが長編デビューとなる石井克人監督が映画化。オフビートな演出は特徴的で楽しめますが、イマイチ吹っ切れていない印象です。
塚本晋也監督による、江戸川乱歩小説の映画化作品。この二人の相性は抜群ですね。乱歩世界の持つ独特の懊悩感が、映像に見事に現れていました。
ビリー・ボブ・ソーントンが監督・脚本・主演の三役を務め、その名を一躍ハリウッドに知らしめた秀作。寓話的な物語なのに、不思議と説教臭さはありません。
「
B級ホラーのヒットメイカーであるサム・ライミ監督が、ベストセラー小説の映画化に挑んだ意欲作。これまでの作風からはとても想像出来ない落ち着いたトーンに驚かされる、サスペンス映画の佳作です。
新人監督トロイ・ダフィーによる痛快アクション。頭の悪い物語と、ただ銃を撃ちまくるだけのアクションは好き嫌いが分かれそうですが、アメコミ・ヒーロー的な単純明快さが楽しめる快作でした。