★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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鮫肌男と桃尻女

 望月峯太郎による同名コミックを、CF界出身でこれが長編デビューとなる石井克人監督が映画化。オフビートな演出は特徴的で楽しめますが、イマイチ吹っ切れていない印象です。

 ツカミは良い。次々登場するコミカルなキャラクターはしっかり描き分けられているので混乱しませんし、編集のテンポも良いので、まともなアクションシーンは殆どないのにダレません。そして、俳優陣の自己主張が凄い。浅野忠信はいきなりパンツ一丁で走ってるし、岸部一徳がヤクザだというのも笑えます。他にも我修院達也の”ドナドナ”とか、島田洋八の変態っぷりなどなど……ちょっと他では真似出来ない役者の使い方が目から鱗でした。
 ただ、最初にドカンと盛り上げた話が、それ以上加速しないままヒネリもなく終わってしまうのが残念でした。どうでもいい喋りを延々と描写するのも辛い。斬新なビジュアルもあって当時は新鮮だったんでしょうが、今観るとフツーに面白い”だけ”の映画ですね。

 ちなみに、原作はもっとネチネチしていてセクシーで、我修院達也演じる”殺し屋・山田”も登場しません。どちらが好きかは好みでしょうが、単行本1冊だけなので興味がある方はそちらも是非。

監督:石井克人
原作:望月峰太郎
出演:浅野忠信、小日向しえ、岸部一徳、我修院達也、島田洋八、鶴見辰吾、寺島進
20060209 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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