アモーレス・ペロス
メキシコ発のオムニバス風バイオレンス・ドラマ。三つの異なるドラマが一つの事故で交錯する構成は秀逸ですが、淡々とした演出は返って逆効果だったかも。ハンディカメラによる撮影で観客に傍観者であることを意識させたり、登場人物を全て脇役として扱うなど、その達観した演出からは新人監督らしからぬ哲学性が感じられます。ただ、その”距離”を感じさせる演出のために、最後まで物語に感情移入出ません。激しいドラマに反して、TVニュースを見ているような淡々とした印象を受けました。これを良いという人もいるかもしれませんが、僕の好みとは違うな、と。
三つのドラマの中では、最後のエル・チーボの話がやはり良いですね。終わらせ方も気が利いています。俳優では、これが長編デビューとなるガエル・ガルシア・ベルナルの魅力が凄い。人気が出るワケです。
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、エミリオ・エチェバリア、ゴヤ・トレド、アルバロ・ゲレロ、バネッサ・バウチェ

20060131 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

「
90年代のハリウッドSF映画の中では出色といえる、ロバート・ゼメキス監督のSF映画。原作は、NASA出身のカール・セーガンによるベストセラー小説。真摯なドラマが感動的で、現代SF映画のお手本のような作品です。
ラース・フォン・トリアー監督による「黄金の心」三部作のうちの一つ。強烈な映画体験が出来るという意味では、非常にトリアー監督らしい実験作でした。
サラエボ出身のエミール・クストリッツァ監督による、奇妙な味わいのドラマ作品。演出などに独特の空気感がありますが、いまいち入り込めませんでした。
感動的な語り口で評価が高いラッセ・ハルストレム監督による、ファンタジックな、それでいて重いテーマのドラマ。全体としては綺麗にまとめていますし、表現したいことも分かるんですが、うまく騙されたような気分。
特殊な愛の形を描いた、ペドロ・アルモドバルらしいラブストーリー。アントニオ・バンデラスの一途な変態ぶりが楽しめる異色作です。
ニック・ホーンビィの小説を、ポール&クリス・ウェイツ兄弟監督が映画化したドラマ作品。現代のシングル男性を題材にした物語で、全体的に良くできているものの、何かパンチが足りないと感じました。
台湾出身のアン・リー監督が、イギリスを代表する作家ジェーン・オースティンの「分別と多感」を映画化したラブ・ストーリー。典型的なコスチューム劇ですが、その良さを満遍なく盛り込んだ秀逸な作品でした。
宮崎駿監督が、自身の飛行機マンガを映画化したアニメーション作品。僕が初めて劇場で観た「ジブリ映画」で、当時は面白さがさっぱり分かりませんでしたが、大人になってから見直してみると評価が一変しました。これは大傑作です。