★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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イディオッツ

 ラース・フォン・トリアー監督による「黄金の心」三部作のうちの一つ。強烈な映画体験が出来るという意味では、非常にトリアー監督らしい実験作でした。

 トリアー監督の作品には「視点を変える」という共通するテーゼを感じるのですが、この映画では特にそれを意識させられました。障害者のふりをすることで、現実の不条理を見いだしつつ、見いだしてしまったがために現実に戻れない人々の”馬鹿騒ぎ”には、泣きたくなるほどの無力感があります。 ドグマ95にほぼ準じる形式で制作されたため、そのテーマが更に現実味を帯びて、現実に起こっている事件のような切実さが伝わってきました。
 ただ、やはり完成度が低いのが問題の一つ。ドラマに焦点を絞ったのだから映像の完成度は二の次と言えばそれまでですが、あくまで”次の傑作”へ向けた”実験”の役割の方が強い映画だと思いました。

監督:ラース・フォン・トリアー
出演:ボディル・ヨルゲンセン、イェンス・アルビヌス、アンヌ・ルイーセ・ハシング、トレルス・リュビュー
20051221 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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