★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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アリゾナ・ドリーム

 サラエボ出身のエミール・クストリッツァ監督による、奇妙な味わいのドラマ作品。演出などに独特の空気感がありますが、いまいち入り込めませんでした。
 監督の後の作品に見られる、白昼夢を見ているような映像感覚はこの映画でも健在です。普通のドラマの中に突如として挿入されるシュールレアリズム映画のような演出は、一度経験する価値はあります。そんな現実と非現実の境界が曖昧な世界で繰り広げられる、意外とシリアスな努力と挫折の物語に、この監督ならではの諦観のムードがありありと滲んでいました。しかし、それにしても脚本や編集のセンスが繊細すぎ。僕は夢を早々に諦めてしまった世代の人間なので、そこに感傷を覚えること自体が滑稽に思えてしまいます。

 ちなみに、制作国はフランスですが、劇中使われている言語は主に英語。ジョニー・デップとヴィンセント・ギャロが、どちらも得体の知れない可愛らしさを振りまいていて目を惹きます。この監督の作品を観たことがないか、もしくは他の作品にお気に入りがあるのなら、一度は観てみるのも良いかと。もちろん監督のファンなら必見でしょう。

監督:エミール・クストリッツァ
出演:ジョニー・デップ、ヴィンセント・ギャロ、ジェリー・ルイス、フェイ・ダナウェイ、リリ・テイラー
20051220 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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