エイリアン2
大成功を収めたSF・ホラー映画の続編。ただし前作とは映画のジャンル自体が変わって、派手なアクションと大味なシナリオの大作映画に仕上がっています。当時まだ無名だったジェームズ・キャメロン(契約時の監督作品は「殺人魚フライングキラー」だけ)が監督を務めていますが、既に彼の大作志向がこの作品からも伺えます。好きな人はけっこういるみたいですけど、僕は苦手。前作が優秀なホラー映画だっただけに、なんでこう安直なスケールアップをしてしまうのかと残念でした。脅威であるはずのエイリアンも次々と登場してはバタバタ倒されて有り難みがありませんし、最後の展開も突飛すぎで笑ってしまいました。これではB級スプラッタ・ホラーと大差ないのでは。冒頭のエイリアン登場シーンはけっこう怖かったし、銃器を使ったアクションとしては凄いのでしょうが、ちょっと納得がいきませんでした。
ランス・ヘンリクセン演じるビショップは、この映画の唯一の救いでしょう。キャメロンはこういう脚本のセンスはあるんですが、でもB級っぽさを消しきれないのが最大の欠点。確かに前作を忘れて観れば面白いかも知れないけど、それって続編でやる必要ないのでは?
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:シガニー・ウィーヴァー、キャリー・ヘン、マイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセン

20060203 | レビュー(評価別) > ★ | - | -

リドリー・スコット監督によるSFホラー映画。宇宙船という密閉された空間設定と、エイリアンというクリーチャーの組み合わせが絶妙な傑作です。
メキシコ発のオムニバス風バイオレンス・ドラマ。三つの異なるドラマが一つの事故で交錯する構成は秀逸ですが、淡々とした演出は返って逆効果だったかも。
1972年に起きた銀行強盗事件を下敷きに、シドニー・ルメット監督が制作したサスペンス映画。うだるような夏の暑さが、70年代の持つ熱狂した空気を感じさせる傑作です。
押井守による「攻殻機動隊」の劇場版第2弾。重厚な映像と哲学的な対話は相変わらずながら、前作とは全く異なる雰囲気の、不思議な映画でした。
スタンリー・キューブリックが生前に温めていた企画を、スティーヴン・スピルバーグ監督が満を持して映画化したという話題作。あまり期待していかなかったので落胆はしませんでしたが、それにしても予想以上の破綻ぶりでした。
ジョージ・オーウェルによって1949年に書かれたSF小説を、表題の1984年に映画化したという作品。ビッグ・ブラザーというリーダーの下に統制の敷かれた未来像が衝撃的でした。原作のテーマは様々な映画で応用されていますし、この映画自体、多数のオマージュを生み出したSF映画の隠れた名作です。
ラース・フォン・トリアー監督による「黄金の心」三部作のうちの一つ。強烈な映画体験が出来るという意味では、非常にトリアー監督らしい実験作でした。
サラエボ出身のエミール・クストリッツァ監督による、奇妙な味わいのドラマ作品。演出などに独特の空気感がありますが、いまいち入り込めませんでした。
特殊な愛の形を描いた、ペドロ・アルモドバルらしいラブストーリー。アントニオ・バンデラスの一途な変態ぶりが楽しめる異色作です。