★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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A.I.

 スタンリー・キューブリックが生前に温めていた企画を、スティーヴン・スピルバーグ監督が満を持して映画化したという話題作。あまり期待していかなかったので落胆はしませんでしたが、それにしても予想以上の破綻ぶりでした。

 話の内容は確かに濃いのです。ロボットに愛は存在するのか、人間はロボットを愛せるのか、といったタイムリーなテーマを見事に消化していて、特にラストの展開は唐突ながら示唆に富んでいるとは思います。しかし、大きく3つに分かれるパートが全く違う雰囲気で、テーマもすれ違いを起こしていて混乱してしまいました。スピルバーグ映画らしく愛は語っても毒を語らない脚本も、映画のシリアスなムードを上っ面だけのものに感じさせます。単純なエンタテイメントにするなら良いんですが、ここまで哲学的なテーマを語っておいて基本はお涙頂戴、という展開自体がおかしいのでは。
 ハーレイ・ジョエル・オスメントとジュード・ロウのロボットぶりは流石でした。テディを初めとする多種多様なロボット群、及び次々と登場する大規模な未来都市のVSFXも凄い。まさに現代のハリウッドでなければ実現できなかった映像です。そのためにドラマ不在がより引き立ってしまったのが、返す返す残念。

監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:ブライアン・オールディス
出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジュード・ロウ、フランシス・オコナー、ウィリアム・ハート
20060103 | レビュー(評価別) > ★ | comments (0) | trackbacks (0)
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