激流
カーティス・ハンソン監督によるアクション映画の秀作。これはケヴィン・ベーコンのための映画。とにかく彼の名演の光る一編に仕上がっていて、メリル・ストリープですらいつもの存在感が霞んでいます。
もちろん基本はアクション映画で、激流をボートで下る映像の迫力や、クリフ・ハンガーばりのアクションシーンも見事なんですが、その間を巧みにつなげた登場人物たちのドラマもなかなかのものでした。誰が主役になってもおかしくないほど俳優の演技も見事。地味な人が揃っているとも言えるんですが、それが妙にリアルで、かえって引き込まれてしまいました。悪い点を挙げるならば、ラストのアクションが一番地味でさすがに不完全燃焼だったのと、邦題のセンスのなさぐらいなのでは。
パンチ力不足の感は否めませんが、サスペンスが得意な監督がアクション映画を撮ると、ドラマも気にしてくれるので良いですね。こういう地味でも良い作品が増えてほしいところですが、現状のハリウッドでは難しいでしょうか……。
監督:カーティス・ハンソン
出演:メリル・ストリープ、ケヴィン・ベーコン、デヴィッド・ストラザーン

もちろん基本はアクション映画で、激流をボートで下る映像の迫力や、クリフ・ハンガーばりのアクションシーンも見事なんですが、その間を巧みにつなげた登場人物たちのドラマもなかなかのものでした。誰が主役になってもおかしくないほど俳優の演技も見事。地味な人が揃っているとも言えるんですが、それが妙にリアルで、かえって引き込まれてしまいました。悪い点を挙げるならば、ラストのアクションが一番地味でさすがに不完全燃焼だったのと、邦題のセンスのなさぐらいなのでは。
パンチ力不足の感は否めませんが、サスペンスが得意な監督がアクション映画を撮ると、ドラマも気にしてくれるので良いですね。こういう地味でも良い作品が増えてほしいところですが、現状のハリウッドでは難しいでしょうか……。
監督:カーティス・ハンソン
出演:メリル・ストリープ、ケヴィン・ベーコン、デヴィッド・ストラザーン

20051006 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -


ケヴィン・コスナー主演の大ヒットアクション映画。非常にそつのない作りで、絵に描いたようなハリウッド映画に仕上がっていますが、それがこの映画の質には非常にマッチしていました。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の55年作品「賭博師ボブ」のリメイク。大御所ハーヴェイ・カイテルと、若手のスティーヴン・ドーフの共演ですが、それほど話題にはなりませんでした。確かに今ひとつ華に欠ける内容ではあるものの、アクション映画としての完成度は非常に高くて驚かされます。
ジョン・アーヴィン監督による、渋い雰囲気の戦争映画。油断していましたが、よく出来たドラマに感動してしまいました。思い入れが強すぎて本質を見失ったり、プロパガンダと化している大作映画より現実的で、何より映画として楽しめます。
「12人の優しい日本人」のプロデューサによる、なんとも日本映画らしいサスペンス・コメディの秀作。あまりに実直すぎる警官が銀行強盗役になったせいで、予行演習が一転して大事件に発展する様を巧みに描いています。
コンラッドの小説「決闘」を原作にした、風変わりな騎士道映画。リドリー・スコット監督はこれがデビュー作ですが、既に映像に対するだわりが見て取れます。70年代の映画の中でも間違いなくトップクラスの映像は必見。モノトーンに沈みがちなイングランドの風景を、朝焼けなどの微妙な光を利用して色彩豊かに描き出しています。