ムーラン・ルージュ
バズ・ラーマン監督の"レッド・カーテン三部作"の完結編となるミュージカル映画。期待をはるかに上回る内容に驚かされました。正統派ミュージカルのベクトルを現代的に発展させつつ、とことんまで極めたような印象です。まず何と言っても音楽が凄い。有名な曲ばかりなものの、それを映画の雰囲気に合わせてアレンジしてあって聴き応えがありました。そして、セットも衣装も豪華絢爛。そこにバズ・ラーマン監督の縦横無尽の演出が加わって、あまりの情報過多にクラクラしますが、それが観ているうちに不思議にトリップ感へと変わります。音楽シーンにこだわったためなのかシンプルすぎるほどの脚本も、それだけ純粋で分かり易く、かえって映画に骨太な印象を与えていました。
俳優では、ユアン・マクレガーとニコール・キッドマンのカップルが、何より非常に画になっています。あとジョン・レグイザモがロートレックを演じているというのもツボ。現代ハリウッドらしい、映像も音楽も盛り沢山のミュージカル大作として、大満足の出来でした。DVDはもちろん、写真集もサウンドトラックも”買い”です。
監督:バズ・ラーマン
出演:ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン、ジョン・レグイザモ、ジム・ブロードベント、リチャード・ロクスバーグ

20060305 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -

ダニエル・クロウズの人気コミックを、「クラム」のテリー・ツワイゴフ監督で映画化。「ダメに生きる」というキャッチコピーからして僕のツボに響きまくりで、とても印象的な青春映画でした。
フランシス・ヴェベール監督による軽妙なコメディ。舞台劇のように一つの部屋で繰り広げられるドタバタ劇で、練り込まれたシナリオが秀逸な佳作です。
シドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」をモチーフにした東京サンシャインボーイズの舞台劇を、中原俊監督で映画化。登場人物の日本人らしい葛藤に、腹がよじれるほど笑える傑作コメディです。
「
小津映画をパクりまくった異色のピンク映画「変態家族 兄貴の嫁さん」で一部の話題をさらった周防正行監督のメジャーデビュー作品。日本映画ならではの緩やかな演出と、トボけた笑いがたまらない秀作コメディです。
子母沢寛原作の人気時代劇を新たな解釈で映画化した、北野武監督によるアクション大作。エンタテイメントに徹した作りながら、現代性も兼ね備えたなかなかの良作です。
'61年作品という古さを感じさせない、市川崑監督による傑作フィルム・ノワール。サスペンスとコメディという二つの要素を巧みに絡めた、軽妙なストーリーが秀逸です。
映画作家・塚本晋也の名前を世界に知らしめた作品。監督・脚本・撮影・美術・編集・出演の六役をこなした塚本監督の、まだ荒削りながらも力強い、映像に対するアプローチが感じられる問題作です。
佐藤純弥監督による、日本パニック映画史上に残る大傑作。新幹線ひかり号に爆弾を仕掛け、時速80キロ以下になるとそれが爆発する、という発想を有効に活用した脚本が秀逸でした。