★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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座頭市

 子母沢寛原作の人気時代劇を新たな解釈で映画化した、北野武監督によるアクション大作。エンタテイメントに徹した作りながら、現代性も兼ね備えたなかなかの良作です。
 あまり深いことは考えず殺陣と人情で引っ張る、いかにも時代劇な作りはソツがありません。逆に言うと新しい要素も少ないんですが、見事な歌や踊り、それに寒いコントといった引きの要素が気持ち良いので単純に楽しめます。これが軽薄に思える人にはダメなんでしょうが、僕は映画自体を”楽しんでやろう”という監督の姿勢が感じ取れたので満足。たまにはこういう脳天気な映画だっていいじゃないか、と。金髪に朱塗りの仕込み杖というビジュアルも違和感ありませんし、肝心の殺陣の出来も上々。タケシの早技も見事ですが、浅野忠信のしっかりとした太刀筋もかなりのものです。

 まさに大衆向けの娯楽映画といったノリの、気軽に楽しめる作品でした。「七人の侍」などの黒沢映画へ強烈なオマージュを捧げつつ、それを笑い飛ばせるだけの余裕を見せた北野武は、やはり現代日本を代表する監督なのだなあ、と納得。

監督:北野武
原作:子母沢寛
出演:ビートたけし、浅野忠信、夏川結衣、ガダルカナル・タカ、大楠道代、橘大五郎、大家由祐子、岸部一徳、柄本明、樋浦勉
20060224 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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