イン・ザ・スープ
映画監督になりたい青年アルドルフォと、謎の老人ジョーの奇妙な友情を描いたドラマ。プロットだけなら単純な物語なんですが、キャラクターが魅力的なおかげでまったく飽きずに観ることが出来ます。と思ったら、どうやら監督の実体験に基づいた話だそうで、映画も老人ジョーに捧げられていました。なるほど。しかし、とても実話とは思えないほど魅力的な物語です。魅力の一つは、実話ベースであることを感じさせないほどまとめ上げられたシナリオにあると思います。エピソードの一つ一つに存在意義があるので、淡々と進むストーリーからも目を離せませんでした。主人公二人を演じるS・ブシェミとSカッセルも名演。カッセルは老人の魅力を細かい仕草で体現していて思わず唸ってしまうほどですし、ブシェミも珍しく「平凡でうぶな青年」を演じていて、この二人の軽妙なやりとりが物語を引き締めていました。
全体に寓話的ですが教訓的な話というわけではなく、ほのかな余韻が心に残る映画です。しかも他では見られないほど素朴なブシェミを楽しめるので、ついつい評価が甘くなってしまいました。ファンなら要チェックですが、現在はビデオのみでDVDは未発売。残念。
監督:アレクサンダー・ロックウェル
出演:スティーヴ・ブシェミ、シーモア・カッセル、ジェニファー・ビールス、ジム・ジャームッシュ

20051122 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -

ジャン=ピエール・ジュネ監督の長編4作目。今回はマルク・キャロとのコンビを解消し、ひたすら自分の世界を追求しています。もう、こんな映画を待っていました、という気分。初めてジュネ作品を観たときから、いつかはこういった映画を撮ってくれるのではないかと期待していたのですが、これで夢が叶いました。
処女作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」が評価され、一躍イギリス映画界の寵児となったガイ・リッチー監督の第2作。ストーリーは支離滅裂、登場人物はアクが強すぎるというのに、それらをセンス溢れる音楽と編集で包装して観客の前にこれでもかと並べる手法が冴えています。
F・W・ムルナウによる名作ホラー「吸血鬼ノスフェラトゥ」を豪快にパロディ化したナンセンス映画。あの映画の吸血鬼役の俳優が、実は本当に吸血鬼だったら……というアイデアと配役が良いので期待したんですが、期待したほどには楽しめませんでした。
「
コーエン兄弟がデビューしたてのころに撮ったドタバタ・コメディーの秀作。とにかく冒頭からのテンポの良い展開と、あまりに特殊な展開に圧倒されるばかりの作品でした。
「ザ・リング」「