★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
詳細な評価基準についてはこちら

アダプテーション

 「マルコヴィッチの穴」のスパイク・ジョーンズ&チャーリー・カウフマンのコンビによる、これまた風変わりな作品。原作小説の映画脚本化を頼まれるも「バートン・フィンク」ばりに悩んでしまうチャーリー・カウフマン自身の姿を、双子の弟を引き立て役として皮肉たっぷりに描いています。

 シニカルなテーマには唸らされました。延々とハリウッド批判をするものの、映画の展開自体はコテコテのハリウッド風、という試みも面白いと思います。ハリウッドの「嘘」を象徴するかのように嘘で固められた登場人物たち(カウフマンはデブでもハゲでもないし、本当は弟もいない、とか)も象徴的。ただ、それが面白いかというと微妙です。テンポも速く、内容を消化しきらないうちにどんどん話が進んでしまって、笑うに笑えないというのが正直なところ。こうなると、畳み掛けるような演出は内容が無いのをごまかしているだけなのでは? と疑ってしまいます。
 アカデミー助演男優賞を受賞したクリス・クーパーは、とても演技とは思えないほどのハマリ役。でもやっぱりニコラス・ケイジが…あの顔が2人出てきて会話をするというのは反則です。しかも太ってるし、画面に出てくるだけで笑ってしまいました。

 これを観ると「マルコヴィッチの穴」のテーマがより鮮明になる、言うなれば「”裏”マルコヴィッチの穴」といった作品。ただ、単体の映画としてはつまらない内容になってしまったのが残念でした。

監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:チャーリー・カウフマン、ドナルド・カウフマン
出演:ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ、クリス・クーパー、ティルダ・スウィントン、ブライアン・コックス
公式サイト
20051006 | レビュー(評価別) > ★ | comments (0) | trackbacks (0)
<< 赤ちゃん泥棒 :: main :: シャドウ・オブ・ヴァンパイア >>

Comments

Comment Form

Trackbacks