★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
詳細な評価基準についてはこちら

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

 ウェス・アンダーソン監督による、おかしな家族の寓話的作品。うーん、微妙。確かに独自の世界を構築していて興味深いし、演出力もあるし俳優の演技もいいし、シックで良くできた映画だと思うんですが、描かれる世界が何一つ心に響いてきませんでした。
 一つ思い当たるのは、すごくデフォルメされたキャラを配しておきながら、物語は一般性の範囲内で動いてしまうこと。おかげで、観ていても一歩引いた視点になってしまいます。かといってそこに深い考察や示唆があるわけでもなく、結果として淡々と映画が進行するだけ。監督はそれを狙った感じがありますが、じゃあどうしてそういう演出にしたのか、は不明。要するに世間の人々は幸せだったり不幸せだったりするけど、本質はこんなところじゃないの、という問題提起なんでしょうか。それともこういう絵本的な演出が好きなだけで、ストーリーとの関連性はないのか…。

 これまでのホームドラマから大きくかけ離れたキャラクタを主要人物にしたという点では目を引きます。ただ、その凝ったキャラクタに感情移入できないので、映画を楽しめなかったのかな、と。消化不良。

監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジーン・ハックマン、アンジェリカ・ヒューストン、ベン・スティラー、グウィネス・パルトロー、ルーク・ウィルソン、オーウェン・ウィルソン、ビル・マーレイ
公式サイト
20051002 | レビュー(評価別) > ★ | comments (2) | trackbacks (0)
<< SURVIVE STYLE 5+ :: main :: ありふれた事件 >>

Comments

すごく退屈で、途中で観るのやめたんですが
やっぱりあのままなんだ…。
キャラが突き抜けてないせいで
絵面も微妙に中途半端に思えて来て辛かったです。
kam :: 20051018 19:01
 最後までずっと同じテンポでしたね。まったりオシャレな雰囲気に乗れたら楽しめるんでしょうが、上品すぎて何も感じませんでした。恵比寿ガーデンシネマで観て、いかにもガーデンシネマらしいなあ、とは思いましたが(笑)
kentaro :: 20051019 5:03

Comment Form

Trackbacks