ドグマ
ハリウッドの問題児ケヴィン・スミス監督による、宗教を題材にしたブラック・コメディ。本国ではキリスト教徒による上映禁止運動が起こり、日本でも限定公開になった曰く付きの映画。完成度はそこそこですが、独特のまったりとしたテンポには中毒性がありました。ベン・アフレックとマット・デイモンの共演作とだけ聞いて観るとあまりに方向性が違うので驚かされますが、突飛な世界観はアメリカン・コメディのノリに忠実なのですんなり入り込むことが出来ました。ポンポン登場するキャラクターもいちいち特徴があって飽きさせません。多少説明的なきらいはありますが、いわゆる”免罪符騒動”をモチーフにしたような物語には、薄っぺらいシナリオとは一線を画す深みがありました。そして破壊的と言うほどではないですが、ジワジワと効いてくる独特のブラックでシュールな笑いは確かに凄い。カルトなファンがいるというのも納得です。
同監督作の常連というジェイ&サイレント・ボブの浮きっぷりには笑わされました。アラン・リックマンがメタトロンというのも宗教マニア的にはツボでしょう。”神”役のキャスティングも洒落が効いていて良い。この監督の作品は初めてですが、他の作品も観てみたいと思いました。
監督:ケヴィン・スミス
出演:ベン・アフレック、マット・デイモン、リンダ・フィオレンティーノ、アラン・リックマン、ジェイソン・ミューズ、ケヴィン・スミス、サルマ・ハエック、ジェイソン・リー

20060121 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

ドリーム・ワークスの設立初期に制作されたSFナンセンスコメディ。公開当時はあまりの地味さにノーマークでしたが、観てみたらかなり凄い、というか観ていなかったことを後悔しました。
グルジア共和国出身のゲオルギー・ダネリア監督が撮った、シュールなSFファンタジー。一見するとただ冗長でくだらない内容ですが、その不思議な世界観がツボにはまると最高に楽しめます。
サラエボ出身のエミール・クストリッツァ監督による、奇妙な味わいのドラマ作品。演出などに独特の空気感がありますが、いまいち入り込めませんでした。
ニック・ホーンビィの小説を、ポール&クリス・ウェイツ兄弟監督が映画化したドラマ作品。現代のシングル男性を題材にした物語で、全体的に良くできているものの、何かパンチが足りないと感じました。
同名のベストセラー小説を、これまた女性のシャロン・マグワイア監督で映画化した話題作。イギリスでは社会現象化したというほどの人気小説ですが、映画自体はオーソドックスな恋愛モノでした。
ロジャー・ミッチェル監督による、「ローマの休日」そのままなラブ・ストーリー。隅から隅までどこかで見たような感じのする内容ですが、きちんと笑えて後味も悪くない、良くできた作品でした。
ウェールズ出身のクリストファー・マンガー監督が、出身地に伝わる逸話をもとに映画化したコメディ。”丘を登り、しかしながら山から降りてきた英国人”という意味の原題もユニークですが、内容もそれに負けないほど笑えて感動できる傑作でした。
コテコテのアクション映画が得意なロブ・コーエン監督による、絵に描いたような「ドラゴンもの」映画。お話しは相変わらずの出来ですが、単純に楽しめる作品でした。
イギリスを代表するブラックコメディ集団モンティ・パイソンによる、初の本格劇映画。本国イギリスの伝説的英雄である「アーサー王と円卓の騎士」をものの見事に皮肉った、まさにカルト・コメディの代表作と呼ぶにふさわしい作品です。