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ウェールズの山

 ウェールズ出身のクリストファー・マンガー監督が、出身地に伝わる逸話をもとに映画化したコメディ。”丘を登り、しかしながら山から降りてきた英国人”という意味の原題もユニークですが、内容もそれに負けないほど笑えて感動できる傑作でした。

 ひたすらブラックで渋い笑いが続く展開こそブリティッシュ・コメディの真骨頂で、これもそのうちの一つ。しかもウェールズの田舎臭い村が舞台となれば、それはもう巨大な笑いの渦が待ちかまえているのです。どうでもいいけど現地人にしてみれば大問題、を延々と回りくどく、しかし面白おかしくやれるのは、もはやこの国以上に無いでしょう。主演のヒュー・グラントは相変わらずのスっとぼけぶりですし、その他の登場人物の奇妙さもバランス良く決まっていて、とにかく随所で笑わせてくれる良質のコメディでした。
 公開当時の、ブリティッシュ・ポップ・ムービーの隆盛には逆らう流れですが、こういう伝統的な面白さを維持している作品も作り続けて欲しいところ。とにかく笑いたい人にはお薦めです。

監督:クリストファー・マンガー
出演:ヒュー・グラント、タラ・フィッツジェラルド、コルム・ミーニイ、イアン・ハート
20051205 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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