60セカンズ
「カリフォルニア」のドミニク・セナ監督が、カーアクション映画の傑作「バニシングIN60」をリメイク。といっても内容は前作の作りとは違って、カーマニア同士の自己満足トークが炸裂するフェチ映画でした。もちろんカーチェイスにも力が入っているんですが、それが味付け程度に感じられるほど濃い喋りは必見。盗む車のラインナップもマニアックだし、車ごとに“実用的”な盗み方を披露してみたり(さすがに画面ではちょっとしか映しませんが)、分かりにくいところに小技が効いていて監督のこだわりが伺えます。物語はいたって平凡な兄弟愛もので、それだけにフェティシズムとアクションに集中できます。ハイ・コントラストでざらついた映像との相性も良いですね。
主演はニコラス・ケイジ。予想通り、倒錯演技が嫌というほど似合ってました。デルロイ・リンドー、ロバート・デュヴァルといったシブい親父の演技が楽しめるのも一興。アンジェリーナ・ジョリーが完全に除け者扱いされているのも逆に笑えます。
映画の構造自体は底の浅い娯楽作なのに、制作側の妙な思い入れのおかげでなかなか楽しめました。車を盗まれたことのある人は気持ち良いものではないでしょうが、クルマに思い入れのある人にはオススメ。
監督:ドミニク・セナ
出演:ニコラス・ケイジ、アンジェリーナ・ジョリー、ジョヴァンニ・リビジ、スコット・カーン、デルロイ・リンドー、ヴィニー・ジョーンズ、クリストファー・エクルストン、ロバート・デュヴァル

20060421 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

宮崎駿監督による長編アニメ。画面いっぱいにお伽話の世界が展開されるものの、心の底から楽しめるわけではない、微妙な作品でした。
大ヒット恐竜映画シリーズ第三弾。監督は「ロケッティア」「ジュマンジ」などSFやファンタジーが妙に得意なジョー・ジョンストン。地味ながら質の高い映像が楽しめる秀作です。
世界中の恐竜ファンの夢を実現したとも言える、スティーヴン・スピルバーグ監督による恐竜映画。マイケル・クライトンによる原作を、ILMの特殊効果技術を総結集して実現した驚異の映像は、当時としては奇跡を見るようでした。
ドイツ出身のローランド・エメリッヒ監督が手がけたSF大作。笑っちゃうほどコテコテの展開を大真面目にやる手法には、感動すら覚えました。
市川崑監督による、石坂金田一シリーズ第四弾。さすがにマンネリですが、それでも見どころが残されているのがこのシリーズの凄いところです。
ジェームズ・アイヴォリー監督による、パブロ・ピカソの評伝映画。非常に良い内容に仕上がっているんですが、ピカソだったかというと疑問。
常にひと癖ある映画を撮り続けるリチャード・リンクレイター監督による、コテコテスポ根風味のロック映画。ファミリー向け映画のふりをして、実はロック好きの精神が詰まった佳作です。
カンヌ広告祭等で多くの賞を受賞しているロイ・アンダーソン監督による不条理芸術映画。ペルーの詩人セサル・バジェホの詩に影響されたという物語は、とにかく不条理で何が何だか、でした。
シドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」をモチーフにした東京サンシャインボーイズの舞台劇を、中原俊監督で映画化。登場人物の日本人らしい葛藤に、腹がよじれるほど笑える傑作コメディです。