ワイルド・ワイルド・ウエスト
シュールな映像センスに定評のあるバリー・ソネンフェルド監督による、60年代アメリカの人気テレビシリーズの映画化作品。ありがちなハリウッド製アクションと思わせて、実はあなどれない内容でした。007シリーズをそのまんまパクったオープニングに始まって、相変わらずのブラックな内容はソネンフェルド監督らしい世界。分かり易いストーリーもケレンがありますし、ウィル・スミスの喋りだって今回はハマっていて、黒人の保安官というナンセンスさも素直に笑えます。脇を固めるケヴィン・クラインやケネス・ブラナーといった渋い男どもも、それぞれに芸達者で楽しめました。
でも、この映画の主役はメカ! 蒸気機関で煙を吹き出しながら走る自転車や巨大蜘蛛を観るだけで料金分は回収できるというものです。何といっても拡声器とか、明らかに蒸気機関では不可能な仕掛けまでゴリ押しで通す、良い意味での常識の無さがスチームパンク好きにはたまりません。特撮的なレベルは低くても奇抜なビジュアルは期待以上だったので、その点では大満足でした。
CG全盛で、ただ規模を大きくすればいいだろうという映画が多い中で、この映画はむしろCGで何を見せたいかがはっきりしていて好感が持てます。より効果的な演出ができればもっといいんですけど、大味な娯楽作品と、スチームパンクが好きな方はぜひ。
監督:バリー・ソネンフェルド
出演:ウィル・スミス、ケヴィン・クライン、ケネス・ブラナー、サルマ・ハエック、M・エメット・ウォルシュ

20060328 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

「
バズ・ラーマン監督の"レッド・カーテン三部作"の完結編となるミュージカル映画。期待をはるかに上回る内容に驚かされました。正統派ミュージカルのベクトルを現代的に発展させつつ、とことんまで極めたような印象です。
TVゲームの映画化モノとしては比較的ヒットした部類に入るSFXアクション。監督は”ハリウッド最強のゲームオタク”ポール・W・S・アンダーソン。
フィリップ・K・ディックのSF小説を、スティーヴン・スピルバーグが監督した話題作。SFアクション系大作映画の定番をわきまえた出来で、名前に期待しなければそれなりに楽しめる映画だと思います。
映画黎明期の巨匠フリッツ・ラングによる、SF映画の金字塔。無声映画時代の作品なので、現代のエンタテイメント作品に比べれば見劣りはするものの、未だに様々な模倣を生み出すほど魅力的なビジュアルと世界観は、映画好きなら避けては通れないものです。
テリー・ギリアム監督によるSF映画の傑作。ギリアム監督のシニカルな面が存分に発揮された物語で、夢と現実の交錯する構成が見事な、カルト映画の代名詞のような作品です。
イギリスを代表するブラックコメディ集団モンティ・パイソンによる、初の本格劇映画。本国イギリスの伝説的英雄である「アーサー王と円卓の騎士」をものの見事に皮肉った、まさにカルト・コメディの代表作と呼ぶにふさわしい作品です。
メキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督による、異色のクリーチャー・ホラー。虫が苦手な人には悪夢のような映画ですが、映像が良いせいか宗教的な味付けのおかげか、同ジャンルの作品の中では突出している印象です。
「ザ・リング」「