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メトロポリス

 映画黎明期の巨匠フリッツ・ラングによる、SF映画の金字塔。無声映画時代の作品なので、現代のエンタテイメント作品に比べれば見劣りはするものの、未だに様々な模倣を生み出すほど魅力的なビジュアルと世界観は、映画好きなら避けては通れないものです。
 資本家と労働者の対比がそのまま場所の違いとして描かれた世界設定が秀逸。高架が何本も渡された未来都市の清潔さと、地下の巨大機械の悪魔的なデザインの対比は印象的です。ロボットというSF的な要素が反乱の動機付けになる、現代に通じる感覚も凄い。それだけに、物語が終盤で失速するのが残念でした。まあ当時ドイツではナチスが台頭しつつあったので、仕方のないところではあります。どのみち落としどころの難しい話ですし、SFの可能性を広げただけでも功績といえるのでしょう。

 84年には、音楽を乗せ、フィルムに着色を施したバージョンが公開されていますが、やはりオリジナルのモノクロ・サイレントの方が趣があります。まさにSF映画の原点と言える作品。

監督:フリッツ・ラング
出演:アルフレート・アーベル、ブリギッテ・ヘルム、グスタフ・フレーリッヒ
20051227 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (1)
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メトロポリス :: Patsaks(20080707 12:20)
貴方は観ただろうか1928年(昭和3年、私など姿かたちも無い)に作られたSF映画メトロポリス。グレート!すばらしい!なんと、「2002年宇宙の旅」の40年も前に創られた映画、勿論二つの映画は比べようが無いが。時代設定は2028年の21世紀、まるで現代に来て見てきたかのような内容、ロボットが出てくるの...