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マイノリティ・リポート

 フィリップ・K・ディックのSF小説を、スティーヴン・スピルバーグが監督した話題作。SFアクション系大作映画の定番をわきまえた出来で、名前に期待しなければそれなりに楽しめる映画だと思います。
 無理矢理アクションを入れるような構成が目立つものの、もともとそれがメインなので割り切って観られました。サスペンス面でもきちんと引きがありますし、軽くなりすぎない演出のおかげでラストも好感が持てます。ディティールの描写が少ないのでSF的なトリック部分は台無しなんですが、撮影監督ヤヌス・カミンスキーによる暗い未来世界は雰囲気タップリで、SFサスペンスの気分は充分盛り上がりました。とてもスピルバーグとは思えないようなトリッキーなカメラワークも何度かあって目を惹きます。出番は少ないですがピーター・ストーメアも良い! もしかしたら彼の怪演こそ最大の収穫かも知れません。

 正直なところ、お気楽アクション映画にしては重いし、かといってサスペンス的には普通の出来で、どのあたりの層に希求したいのかいまいち不明な映画でしたが、そこそこ楽しめたのでまあいいか、という感じです。スピルバーグは何処へ行きたいんだろう……。

監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:フィリップ・K・ディック
出演:トム・クルーズ、コリン・ファレル、サマンサ・モートン、マックス・フォン・シドー、ピーター・ストーメア
20060104 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (2) | trackbacks (0)
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Comments

誰かのブログにもコメントしたんですけど、スピルバーグさん、最近日寄っちゃってるんじゃないですか。もう年だからあまりチャレンジしないというか・・・。
チュチュ姫 :: 20060107 15:56
 というか、スピルバーグは全年齢向けの単純アクションが得意なので、映画の大衆化においては重要だったんですが、映画が十分に大衆化した現在ではスタンダードすぎてつまらないんだろうなあ、と。
 「シンドラーのリスト」あたりから政治映画に力を入れるようになりつつ、それも空回りしている感じだし、もう彼の時代は終わったんだなあ、と寂しい気持ちになってしまいますね。
kentaro :: 20060109 3:27

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