レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
世界中でベストセラーとなった同名児童文学を、「キャスパー」のブラッド・シルバーリング監督で映画化。ビジュアルはなかなかの出来でしたが、物語はお粗末な印象を受けました。三人姉弟妹の落ち着いた演技や、ジム・キャリー扮するオラフ伯爵のコミカルさは良い。物語を彩る様々なセットや人物の衣装など、美術面もゴシックで非常に僕の好みでした。ただ、子供達が”不幸”から如何にして脱出するかが物語のキモなのに、そこのギミックがなおざりでセンスを感じられない出来なので、物語中盤からはダレてしまいました。その上、とってつけたような謎の存在も微妙(これは続編への布石でしょうが)。ジム・キャリーの変装も、もっとバリエーションがあると思っていただけに物足りない印象です。
全体に、メルヘンというより単純な”子供だまし”に終始しているのが残念でした。雰囲気に浸りたいだけなら構いませんが、生粋の児童文学ファンにはお薦め出来ません。
監督:ブラッド・シルバーリング
原作:レモニー・スニケット
出演:ジム・キャリー、エミリー・ブラウニング、リーアム・エイケン、カラ・ホフマン、シェルビー・ホフマン、ティモシー・スポール、メリル・ストリープ

20060130 | レビュー(評価別) > ★ | - | -

ゴア・ヴァービンスキー監督の名前をヒットメーカーとして印象付けた海賊モノのアクション大作。オリジナルは、ディズニーランドで人気のあのアトラクション。ディズニーなので平凡な作品になるかと思いきや、ジョニー・デップ扮するスパロウ船長のおかげで、ひとクセある内容に仕上がっています。
コテコテのアクション映画が得意なロブ・コーエン監督による、絵に描いたような「ドラゴンもの」映画。お話しは相変わらずの出来ですが、単純に楽しめる作品でした。
グリム童話「白雪姫」のダークな面をも再現した、ファンタジー映画の秀作。こういうのは企画だけが一人歩きして内容がついてこない場合が多いんですが、今回は及第点どころかその上をいく出来で驚かされました。
「
鬼才テリー・ギリアム監督による、荒唐無稽さにかけては随一の傑作メルヘン。原作は、ドイツでは知らない人はいないほど著名な「ほら男爵」ミュンヒハウゼンの物語。僕もこの原作は大好きですが、その無茶な妄想世界を、ギリアム監督はこれ以上ないほど見事に再現しています。
映像に定評のあるリドリー・スコット監督の手がけたファンタジー映画。こんな映画を撮れるのはこの監督だけでしょう。典型的な
イギリスの同名ファンタジー小説の映画化シリーズ第4作。試写会にも行きましたが、面白かったので劇場でもう一度観てきました。今回はシリーズ初の英国人監督ということで、過去の作品よりもイギリスらしい空気感が見事。相変わらず端折られた物語も映画としての見どころは豊富で、原作ファンとしては大満足の内容でした。