ロスト・イン・ラ・マンチャ
鬼才テリー・ギリアム監督による映画"The Man Who Killed Don Quixote"がいかにして制作中止に陥ったかを、「12モンキーズ」でもドキュメンタリーを手がけたキース・フルトンとルイス・ペペのコンビが撮影したドキュメンタリー。まさにドン・キホーテそのものを思わせるギリアム監督の勇姿は必見。ギリアム監督が最高のヒーローだと語るドン・キホーテを題材にしたブラックコメディ映画は、ファンならずとも見たいと思わせるような夢にあふれた企画で、これは所々で挿入される”撮影済みのシーン”からもひしひしと伝わってきます。しかし様々なアクシデントが襲い掛かり、映画は製作中止。これが絵に描いたようにひどい話で、ひどすぎるあまり笑ってしまうほど。奇しくもこのギリアム監督の無謀とも思える行動自体がドン・キホーテという英雄の姿と重なって見えるところが、最高に悲しいところです。
映画の評価とは全く関係ないんですが、ジョニー・デップの普段着が格好良かった! 映画の完成を願っていますが、キャストは集め直すことになるのかなあ……。でも監督自身も諦めたわけではないようなので、辛抱強く待ちましょう。
監督:キース・フルトン、ルイス・ペペ
出演:テリー・ギリアム、ジョニー・デップ、ジャン・ロシュフォール

20051218 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

ロバート・ロドリゲス監督お得意のバイオレンスが満載の”エル・マリアッチ”シリーズ第三弾。今回は豪華キャストを揃え、アクションも多彩になって盛りだくさんの内容でした。
江戸川乱歩の怪奇小説4編を、4人の監督でオムニバス映画化。大満足とはいきませんでしたが、意欲的な実験作の空気を味わえたことと、実相寺乱歩の新作を楽しめたのは良かった。
映像に定評のあるリドリー・スコット監督の手がけたファンタジー映画。こんな映画を撮れるのはこの監督だけでしょう。典型的な
ジュネ&キャロのコンビによる長編第二弾(マルク・キャロは美術監督として参加)。14億円という、フランス映画にしては莫大な予算をつぎ込み、巨大セットをいくつも建造して創り出したヨーロッパ世紀末的な世界観が凄い。僕もchako氏も、あらゆる映画の中でこの作品が一番好きです。
ドイツのトム・ティクヴァ監督による、パラドクシカルで爽快なサスペンス。主人公の行動によって変化した3つの異なるラストを次々と見せるアイデア勝負の作品で、この手の話に期待する全てを成し遂げつつテンポ良く楽しめる秀作でした。
未だに揺るぎない評価を得ている実験的SF映画の傑作。学生時代に観まくった実験映画の中でも、特に印象に残っているものの一本です。
原作者ハンター・S・トンプソンの実体験を元にした小説を、鬼才テリー・ギリアム監督が映画化。他のドラッグ系映画の追随を許さない、とことん下品で不条理で滅茶苦茶な作品でした。
ケヴィン・コスナー主演の大ヒットアクション映画。非常にそつのない作りで、絵に描いたようなハリウッド映画に仕上がっていますが、それがこの映画の質には非常にマッチしていました。