妹の恋人
ジョニー・デップ主演の風変わりなラブ・ストーリー。デップを見ているだけでも良いのですが、そつのない展開とキャスティングの妙が楽しめる、良質の作品です。まずジョニー・デップ演じるサムが印象的、彼なしにこの映画は語れません。設定が奇抜なだけに演技力が要求される役柄を、見事に演じきっています。ビジュアルを見た時点では少し引きますが、映画を観たあとはそれすら可愛いと思えるのだから不思議です。M・S・マスターソンとA・クインも、ありがちなキャラクターを分かり易く演じていて好感が持てます。
そして、俳優の演技以上にラブ・ストーリーとして魅力的なところが良かった。カメラワークも適度に凝っていて、トリッキーな演出がなくても物語に集中できました。こういう基本的な部分がきちんとできているからこそ、デップの演技にも説得力が出るのでしょう。
ハリウッドの平均的なラブ・ストーリーと切って捨てることも出来ますが、アレンジ次第で楽しめるという良いお手本でもあるかと。安心して観られて、しかも後味の良い一本でした。
監督:ジェレマイア・チェチック
原作:バリー・バーマン
出演:ジョニー・デップ、メアリー・スチュアート・マスターソン、エイダン・クイン 、ジュリアン・ムーア、ダン・ヘダヤ、ウィリアム・H・メイシー

20051123 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

ジャン=ピエール・ジュネ監督の長編4作目。今回はマルク・キャロとのコンビを解消し、ひたすら自分の世界を追求しています。もう、こんな映画を待っていました、という気分。初めてジュネ作品を観たときから、いつかはこういった映画を撮ってくれるのではないかと期待していたのですが、これで夢が叶いました。
ティム・バートンによるストップモーション・アニメの3作目(監督としてのクレジットは初)。ロシアの民話を原案にしているようで、ストーリーは独特で楽しめますが「それ以上の何か」が感じられなかったかなと。
J=P・ジュネ監督が長編デビュー直後から温めていたという企画。原作はセバスチャン・ジャプリゾによる人気ミステリ「長い日曜日」。