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ロング・エンゲージメント

 J=P・ジュネ監督が長編デビュー直後から温めていたという企画。原作はセバスチャン・ジャプリゾによる人気ミステリ「長い日曜日」。
 戦争が題材ですが反戦メッセージはなく、同時にジュネらしい遊び心も今回は控え気味で、格調の高い映画に仕上がっています。それでも映像のセンスや俳優の演技といった細部に「ジュネ映画」がにじみ出ていて、思わずニヤリとさせられました。

 登場人物が多いのはいつも通りですが、今回はミステリなのでいちいち人名を覚えなければいけないのが大変でした。それでも映像的にフォローしているのは流石。この尖った演出がジュネの強みでしょう。画面の美しさに加えて、独特のカメラワークも健在。特に今回は空撮が印象的でした。あと「風」を使った演出も目をひきます。
 俳優陣はいつもの布陣が比較的脇役でサポートしているのに対して、チェッキー・カリョやジョディ・フォスターといった俳優も出演していて驚きました。それと、マネク役のギャスパー・ウリエルが魅力的で、出演シーンではつい見入ってしまったり。

 全体として、ジュネ独特の魅力に乏しかったような。原作モノだったからなのかも。ともあれ、 ここまで大予算の映画でも上手くまとめられる、ということを証明できたわけで、次はまた初期のようなブラックな作品を期待したいところですが、どうでしょう。

監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール、ドミニク・ピノン
公式サイト
20050917 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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